屠 呦呦(トゥ・ヨウヨウ)女史は、やはり中国のシステムの中では浮いた存在だった。〝正当?〟なエリート研究者が歩む道とは異なり、大学院に進まず、海外での教育や研究経験が無く、中国工程院にも所属していない。これは院士というそうで、何度か候補に挙がったらしいけれども、何時も撥ねられたそうである。それで屠女史のような研究者を『三無科学者』と言いうようである。


出典:マイナビニュース



 そう考えれば、支那で院士になるのはノーベル賞をとるより難しいということになる。もちろん大いなる皮肉で申し上げている。大した研究成果もない連中が井の中の蛙よろしく、コネと金で中国工程院とやらに入り込み、生涯一定の地位とそれにともなう金(ワイロ)で楽に生きている〝研究者〟様、ほんとにご立派なことである。


 屠女史は貧乏暮らしが長かったようである。これだけでも真の科学者であることがわかる。ただ、地道に過去の文献を読み、そこからヒントを得て、漢方薬から成分を抽出し、マウス等で効果を確認するという作業を延々と繰り返し、マラリアの特効薬の発見に結びつけた。そのセンス、努力、まことにお見事!!


出典:よもぎ研究所

 マラリア研究は『毛沢東と周恩来からの命令を受けた軍部の支援の下』で行ったというから、恐るべき長さである。支那はこういう研究者を見落としていた不明を恥じねばならぬはずなのに、嫉妬からか馬鹿にした言葉が飛び交っているそうだ。救いようのない連中である。


 ここでおじさんは自説が正しいことを二つ発見した。反日の中国ではノーベル賞は受賞できないということ、もう一つは共産党絶対の共産主義国家の研究は、官制の研究が重んじられ、権威と肩書という研究者としてどうでもよいものを中心に動くため、トゥ・ヨウヨウ女史のような人類愛に満ちた世界的研究を国内で見落とすのである。政治体勢が地味で地道な研究を重視しないため、優秀な研究者も必然的に忌避するようになっていくのである。こちらも未来がない。


 幸いなことに、トゥ・ヨウヨウ女史は、端から権威や肩書きを度外視して、人を助けるという大きな目標の下、ただただ研究が好きだったのだろう。そういう人に幸運の女神は微笑むのである。


 支那の皆様、あなたのお国にいい言葉があるのに、お忘れのようだからそれをお教えしよう。貴国には大した研究をする人もいなければ、優れた研究を理解する能力のある人もいない。このたびそのことが見事に立証された。すなわち貴国に名伯楽はいないということにほかならない。



 最後に、長生きされて本当によかった。衷心よりノーベル賞受賞をお祝い申し上げる。これは貴女が言われたような、中国医療が優れている事が証明されたのではなく、ましてや中国医学界に与えられたものでは絶対にない。貴女の長年の研鑽と努力、人類に対する大いなる功績に対し、貴女個人に贈られた賞である。


 by 考葦(-.-)y-~~~