懐かしい名前を聞いた。【日本赤軍】と【城崎勉】である。左翼の最も急進派だった赤軍派の幹部で、たしかこいつを逃がすために日航機をハイジャックし、福田康夫元首相の親父、福田赳夫内閣総理大臣が、「人名は地球よりも重い」という迷言を吐き、歴史に汚名を残すことになった。

出典 Weblio


 城崎勉をはじめとする獄中の11人の政治犯に、身代金に加えて、獄中メンバーが働いた獄中労務金まで上乗せして送り出したため、世界中から電化製品だけでなく、テロも輸出するのかと非難を浴びた。


 昔の自民党も、今の民主の連中の様に、暴力を恐れ、耳に快い優しい言葉を好む、優柔不断な人間が首相になることがあった。東大法学部から大蔵省という「頭がいい人の王道」を歩み、総理の椅子を巡っては田中角栄に一歩先んじられたが、国家、国家の尊厳と品位、国家とテロリズムというものを学び損ねた人である。総理としての覚悟も理念も見識も、一切、持ち合わせていなかったとしか言いようがない。


 今、ISILによって日本人2名が拘束の後、殺害された事を、恰(あたか)も安倍首相の責任だとでも言いたげなマスコミの風潮だが、あの時はどうだった。あまり福田を責める論調はなかったと記憶している。イスラム国の場合で言えば、200億円をテロリストに支払えば満足だったのか。その後、その金を使って何千、何万人の人が殺害されても、因果関係が証明されないから、それには責任はもたないということなのか。


 福田赳夫首相の行動を他山の石として、その後の世界はテロリストに妥協しない事が主流になった。尤も、日本が世界の常識に追いついたということなのかも知れないが。福田赳夫のやったことは玄関前のゴミを隣に掃き出しただけで、自分の国は綺麗になったけれど、掃き出された世界の国々は大いに迷惑を被ったのである。


出典 朝日新聞DIGITAL



 解放された連中は、日本赤軍に合流し、一言で言えばテロ活動に人生を捧げた。彼らは今、何を思うのだろう。共産主義などという謬説を信じ、過激に、より過激になっていった結果、彼らが青春を賭けて夢想していた事の1%でも実現できたのか。


 そんな所に真理はないと気がつかなかったのか。ドグマは新たなドグマにいずれ書き換えられる運命にある。もし重信房子や城崎勉の革命が成功し、共産国家が誕生してたら、息苦しい国が出来たに違いない。尤も、そうなればおじさんはテロリストになって戦っていただろうが……。


出典 敬天新聞社



by 考葦 (-.-)y-゜゜゜