訴えるという記事を見たときには一瞬、我が目を疑ったが、裁判に訴える権利は存在するから、朝日新聞がよく使っていた弱小出版社や個人評論家に対し、訴える用意があるという手法を真似て、文春と西岡力に使ったんだね。
一体、弁護士を雇う費用が幾ら掛かるのか、そちらの方に興味が湧くが、前回、文藝春秋に書いた手記まで一言も反論せず、いきなり名誉毀損で訴えるとは、いよいよ言論人とは言えなくなった。
おじさんが理解している問題点を1点だけ述べる。
〈日中戦争や第二次世界大戦の際、「女子挺身隊」の名で戦場に連行され、日本軍人相手に売春行為を強いられた「朝鮮人従軍慰安婦」のうち、一人がソウル市内に生存していることがわかり、――〉
※ 上記は正論2月号の西岡論文に植村記者の記事として
一部引用されたものを、さらに一部引用したものである。
但し、傍線はアンダーラインにし、文字に着色はされていない。
傍線は西岡
女子挺身隊という言葉を韓国では慰安婦と同意義で使用していたと植村は弁明したが、この表現を見る限り、通常の読解力の持主なら、「生存していた」慰安婦の金学順が、女子挺身隊の名で「連行」されたとしか読めない。
その論拠はテープだというから、テープを出して汚名をすすげばいいのではないかと、多くの論者が言っていたが、一切反論せず、当然、テープも公表されることはなかった。植村が次にとった行動が、文藝春秋への手記であり、さらに手記対する西岡の批判であった。
当然、次は植村が自説を論証するか、西岡論文の欠点を突くか、いずれにしてもそう言う流れになるものと誰もが想像していたところへ、訴訟宣言(表明)である。
大規模な支援者の集会がもたれ、岩上安身が設立したIWJだけが会場入りを許されたようだ。その模様はIWJのFacebookで一般にも公開中である。
おじさんは、岩上については公平な視点をもつジャーナリストだと考えている。ただ、著書を読んだことは無いので、テレビのコメンテーターとしての発言だけの判断だが……。
岩上安身 (@iwakamiyasumi) | Twitterより
裁判になるというのなら、それはそれでいいと思う。その間の言論封じ込め作戦だろうが、そういう御仁だと明らかになったことは悪いことではない。名誉毀損というからには、自分の記事が正当なものだという証明も必要になろう。
それにしても170人の弁護士とは、代理人の印鑑を押すスペースだけでもずいぶん資源の無駄に思えるが、どうなのだろう。
〈文中敬称略〉
訴訟の争点になりそうな所は、拙ブログをご参照ください。
植村隆が文藝春秋1月号に無反省手記(1)
植村隆が文藝春秋1月号に無反省手記(2)