いつも思うのだが、STAP細胞は存在するのかどうか、その明確な回答を誰も言わないのは何故か。


 おじさんは小保方さんの最初の会見の時、ネット住人が何時になくはしゃぎ、論文を読みたいと思ってしまったと推測している。なにせ四角四面のおじさん(僕のことではない)ではなく、若いちょっと可愛い女性だったから、もう少し知りたいと思っても致し方ない。


 まず件の論文に目を通した。専門用語は解らなくとも、翻訳ソフトの力を借りれば、大筋を読めないこともない。そしてああだこうだと騒いでいる内に、ひとりが変な箇所を見つけて、どこかに漏らした。するとネットでお祭り騒ぎが始まり、やがてそれに気付いた正当(?)なマスコミもスワ一大事とそれに乗った。


 特に画像データなどは、諸君に掛かれば、使い回しや細工(修正?)でもしようものなら、即座に発見してしまうだろう。まして盗用などすればたちどころに発見し、騒ぎが拡大することになる。


 小保方さんは何度もSTAP細胞を作製していると言うが、言葉に出来ない微妙なタイミングを必要とするのなら、他人による検証実験は難しいだろうし、誰もあまり言わないけれど、特許の問題もあるだろう。


 ネットの諸君にお願いしたい。貴殿等のネットを用いた反応の迅速性、的確性はもう十分に証明されている。いくら未成年や容疑者の顔を隠そうとしても、何処からともなく入手してネットに流す。君達を敵に回せばどんな人間でも安穏に暮らすことは出来ない。そう、諸君等は一見てんでバラバラな第5、第6の権力なのだ。


 おじさんは君達のお祭り騒ぎが――STAP細胞が存在するのなら――それを闇に葬り去る結果に繋がりそうで怖い。現にあろうことか山中教授の昔の論文の瑕疵を論(あげつら)っているではないか。


 君達の所為で、こんなことをしている間にも、他国の誰かが別の手法で『発見』し、論文発表をする可能性もある。日本人による偉大な発見を日本人自らが大騒ぎして葬り、余所の誰かの成果として科学史に記されるという愚を犯す事態は君達も望んではいまい。


 諸君等の馬鹿さ加減は、節度を知らないことだ。熱が冷めればすぐに飽きてしまうくせに、一時期だけ熱中して暴走する。一人一人は小さい声だが、最大ボリュームのように聞こえてくる。それをネタに詰まった正当(?)マスコミが一般人に流す。こんな構図が近年、出来上がっている。


 ネット住人諸君の大部分は既に興味は別の所へ移っているとは思うが、粘着体質の少数の諸君が、他の有名研究家の論文を漁り瑕疵を発見しようと努めている。だが、人には、高度の専門知識がない外野は、あれこれ言うのを控え、黙って見守るという態度を取る事も必要だ。いざとなれば、君達は世間に公表する手段をもっているのだから。