何の番組だったか、すごいメーク技を持つという小娘3人のメーク後の顔写真が並べてあり、メーク前の2人の顔写真を見て、メーク後の顔を当てるという企画だった。


 おじさんの知識ではつけ睫毛とか、宝塚の化粧のように目を大きく見せる技ぐらいしか思いつかない。


 変化がないと思われる鼻と耳を頼りに予想して、1勝1敗であった。


 あとで変化の様子を種明かししてくれたが、まずカラーコンタクトを入れて黒目を大きくする。まぶたにテープの様な物を貼り、二重にする。つけ睫毛を何枚かする。ただこれだけ……。


 20分程度で、見事な可愛い美人に早変わり。げに女は恐るべし。


 前にその番組で双子と顔認証システムの対決があったが、化粧前後で同一人物と認証されるかどうか対決するのも面白いかも知れないね。


 しかし、これだけ変わってしまうと、美の定義が脅かされかねない。


 これで連想するに、どこかの国の様に、整形で美人に変身したはいいが、ミスコンテストで各地から選ばれた人が皆、同じ顔をしていた記事を読んだ。


 美人にも流行があるということになるね。そういえばかの国の若い俳優の顔は、男も女も皆同じで一面的だ。微妙な表情の芝居ができない。おそらく表情筋の幾つかが整形によって動きにくくなっているのではないだろうか。


 整形を許容するばかりか推奨するという社会は、人の優劣を外見だけで判断するということを内外に宣言しているに等しい。


 何だか気の毒になってきた。


 出場する者もする者だが、コンテストの審査員も整形を許容しているということだから、かの国のせいで審査基準に「整形をしていないこと」、と当たり前の記載を入れなければいけないことになりそうだ。


 確かに、見事な整形手術だと思う。それは認めるよ。


 一方、すご技メイクで付き合った男は、少なくとも朝別人が寝ていることに驚くことになる。


 おじさんには何とも言えないし、日本の彼女たちは何も悪くはない。だが、あんな簡単に美人になられては、男の方は相当な覚悟をもって付き合わなければいけないかもね。


 もっとも、人の内面を重視するいい機会になるかも知れない、ということは言えるね。