スウェーデンのカロリンスカ研究所は8日、2012年ノーベル医学生理学賞を、生物のあらゆる細胞に変化させることのできる「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」を初めて作製した京都大学iPS細胞研究所長の山中伸弥教授(50)と、そうした多能性細胞の実現の基となる研究を行った英ケンブリッジ大学のジョン・ガードン博士(79)に授与すると発表した。

マイナビニュース[2012/10/09] 続きはこちら>>
----------------------------------------------------------


 何時かは必ず取ると思われていた山中教授が、予想をはるかに超えるスピードで受賞した。



 近年、日本の受賞者が相次いだが、いずれも高齢の方ばかりで、対象の研究もご本人の口から今頃という言葉が出るほど発表から時間が経っていたから、誰言うと無くノーベル賞は発明・発見はもちろんだが、受賞するには加えて運と寿命が必要である言われてきた。



 長生き競争という側面は、一緒に受賞されたジョン・ガードン博士にも見られ、44年前だかの研究がiPS細胞への道を開いたとして受賞された。ほんとに間に合ってよかったと心からお祝いする次第である。



 穿った見方をすれば、近年、これほど裾野の広さを予感させる研究はないと言っても過言ではなく、次のステップで日本・アメリカその他の国々のノーベル賞級の研究が目白押しで、早く渡しておかないとという意識が働いたのではないだろうか。



 もともと受精卵を使っていた研究に対し、欧米では倫理的な抵抗が強く、少々この分野の研究が暗礁に乗り上げていたところへ、皮膚の細胞を用いる倫理的に問題のないiPS細胞が開発された事により、すでに蓄積されていた研究も生かせるということで、再度、拍車が掛かっているのだろう。



 おじさんは、この研究を考える度に、韓国のソウル大の先生を思い出す。ES細胞を発見(発明?・開発?)したと科学誌に発表した後、いつまでも「現物」が公開されなかったため、世界中が不審に思っていた。



 韓国内では、すわノーベル賞確実というので英雄に祭り上げられ、その後の喧噪は皆さんご想像の通りである。



 しかし、内部告発によって、論文の捏造(ねつぞう)が行われている疑いが生じ、結局、それに反論する「成果」も提示できなかった事により、捏造が確定し、ES細胞が開発されていない事が確定的に明らかとなった、というのが事件のあらましである。



 学者の世界にも研究助手の手柄を横取りしたとか、データを改竄(かいざん)したという話がしばしば聞こえ、我々凡人と何も変わらないなと思うことがある。



 世界的な発明をしたということを発表したら、世界中が大騒ぎするに決まっている。にも拘わらず、こんな事をしてしまうのは国民性なのか。



 さらに不可解なのは、嘘八百の虚偽の論文ということが明らかになったあとでも、韓国内ではよくやったという擁護の意見が続出したそうである。 ┓(´_`)┏



 だが、日本でも、ノーベル賞については、笑えない話を読んだことがある。



 選考する側がマイナスの風聞を嫌うのは当然である。もしどちらにしようかと検討しているときに、一方が人間的にマイナスな行いがあるという通報を受けたら、今回はもう一人の方にということになろう。 



 そういう事を狙って選考の時期が来るたびに、ある学者がノーベル賞を取らないように、毎年、お手紙を送りつけていたライバル?の学者先生がいたそうだ。



 これは決しておじさんが酒の席で仕入れた話ではなく、きちんとしたオピニオン雑誌から仕入れたものである。但し、だいぶ昔にね。