昔からのことだが、ホームページやメルマガで、自分の「HPを拝見したい方は……」と丁寧な言葉のように使用している例をよく見かける。


 あと『拝見されたい』というのも時折、見かける。


 文法的なことは説明できかねるが、言葉面で判断すると、拝すると見るだから、自らを下に置いて見るということなので、一般読者に『俺のHPを拝して見ろよ』という事になり、意図とは正反対の事を強要している結果となっている。


 こんな場合は、どう言えばいいんだろう。『ご覧になる方』か『見ていただける方』とするのがいいだろう。


 おじさんは年々寛大になり、いきなりのタメ口はどうか知らないが、モデル(タレント?)のローラのようなものならOKだ。


 また敬語の本に書いてあるダメの代表格の二重敬語など、耳にした方はくどいと思ったり、悪く思うことは絶対にない。現実には文法がどうあれ相手に過剰な敬意と取られる方が、文法上完璧でも不足という印象を与えるよりましだ。


 「自分は文法上正しい敬語を用いたのですが、相手が誤解され、この商談は破談になりました」と帰社して上司に報告してごらん、文法的に正しいならいいんだよ、と言う上司が果たしているか。


 そんなに正しい敬語が使いたいのなら、退職して学者にでもなれと言われるのがオチだ。


 自分と相手、自分を下げて表現するのか、相手を上げて表現するのか、その違いだけを弁えていれば、言葉によって諍いが起きたり、取引が不成立になるような事はないだろう。


 おじさんが聞いた最高の間違いは、『お愚息様』というものである。ご令室様の感覚で使っているのは分かるのだが、誰か注意してやってよ。まあ正しくは『ご子息様』か『ご子息』だろうね。


 おじさんも耳で判断することが多くなって、二重(三重)敬語には鈍感になっている。


 二重敬語の代表は

  ○先生がお帰りになる。  ×先生がお帰りになられる。

だよね。


 でも一番は敬う心だよ。敬語が完璧でも、敬っている心が感じ取れない輩は一杯いるよ。


 敬語は自分の敬う心をどう表現するかが出発点なのに、そこを忘れてマニュアルや敬語の本などで、○×式で記憶すると、魂の入っていない仏像のようなものになってしまう。


 気をつけましょう。 (^-^)/


2013-8-4 字句訂正