先日、特定記録郵便を出そうと郵便局へ行ったら、作業服を着た胡散臭いおっさんが、後ろ手、仁王立ちで入り口に立っていた。


 おじさんは局の駐車場ではなく、隣の官庁の駐車場に停め、局の裏口から入るのを常としているので、それの取締かと緊張して裏口に向かったところ、


 『ご苦労様です。オレオレ詐欺にご注意下さい』と言って、小さなパンフレットを差し出した。


 受け取ったものをよく見ると、見開きのページを閉じ、さらに二つに折りたたんであって、裏面にも全面にイラストや文字が印刷されている。


 発行者を見ると、兵庫県警察とあり、パンフレットをくれた人は警察の人だったみたい。


 言っても詮無いことだが。それならそれでもっとパンフレットを前に出して、手に持っていたら、人に妙な警戒心を起こさせずに済んだものを。


 うーむ…、いかにも警察官、制服を脱いだまでは良かったが、いや、綺麗な作業服も良しとしよう、しかし、その身に染みついた警官の本能は隠しようもなかったというところか。


 待ち時間に読むとはなしに読んでいると、なかなか見やすく、流れが解りやすい。新手の手口もすっきり頭に入るように工夫されている。


 なかなか警察もやるな、と思ったら、下の方に小さく

 『デザイン提供 兵庫県立龍野北高等学校 総合デザイン科のみなさん』

とある。


 さもありなん。おそらく賞状一枚でお金を節約し、若き青年達の才能を利用したと見える。


 おそらく、おじさんが解りにくいと感じた箇所は、警察がこれだけは入れておかなければと考えたもので、すっきり入るイメージを注文をつけて濁したのであろうと想像する。


 しかし、待てよ、もしかしたら、この考葦おじさんがオレオレ詐欺に引っかかると見えたのだろうか。そう思うと、何だか急に不愉快になってきた。


 いやいや、今日はいい話を書くつもりで書いている。


 もしかしたら警察官とは関係なく、ボランティアの人が時間を割いて活動してくれていたのかも知れないではないか。


 ケチばかり付けずに高校生の作品を褒め、素直に感謝をすることにしよう。