久しぶりに小林よしのりの本を読んだ。
 小林とは、皇統問題で意見が相違し、しばらく時間をおいていたのだが、本屋の内部をぐるぐる回る内に、本家ゴーマニズム宣言2を目にして、ちょっと読んでみるかという気になってきて、購入した。

皇統問題については昨年書いたのでご参照あれ。



本家ゴーマニズム宣言2


 東北大震災以前から以後のもので、月刊誌『WiLL』に連載されている『本家ゴーマニズム宣言』を単行本化したもののようだ。

 小林の主張は至極もっともなもので、皇統問題でおじさんとは意見が相違してはいるものの、本書に書かれている皇統問題に関するテーマ以外は、強弱の違いはあるにしろ、ほとんど賛同できる。

 学会の論者の中には、小林は言論人ではないから、氏の主張に賛同することは、言論人にとって恥ずべき事だと感じる人が多いようだが、そんな狭量の言論人の言説に聞くべき内容はほとんどないと思えばよい。

 おじさんは言論人ではないから、小林の作品を漫画とさげすむ気持は微塵もないし、誰にでも小林はこう主張していると言う。

 おじさんの周囲には、人によっては、漫画以外にそんな本も書いているんだねと、聞き返す人もいる。いやいや漫画だよと返すと、ちょっとの間、相手の思考が中断する。

 それとインテリ言論人も同じだね。


 本書にも皇統問題が載っていて、小林と見解が相違する八木教授が、例によって情けない姿で非難されている。

 おじさんんが心配するまでもなく、八木教授は稀代の論客であるから、的確で鋭い反論をするであろう。

 おじさんは、ただ単純にはるか彼方から続いてきた年月の重みに敬意を払うのみである。

 何故、2000年以上もの間、男系男子で継承されてきたのか、今、それに答えられる者は、巷には誰もいない。語ることが出来るとしたら、皇室の方々である。

 戦後、たかだか5~60年の時間経過と、現在の時代風潮で、皇室典範も自由気ままに変えられるという発想自体が、如何なものかと思うのである。

 皇室典範も法律である。法律は国会で改正される。国会議員を選ぶのは国民である。だから、国民は皇室典範を変えられるのだという論法ではないか。

 意味が分からないから、その制度は変更・廃止してもよいのか。その意味が明らかになったときに、誤ってましたでは済まない。

 別の見方をすれば、男系男子で継承してきた世界で希有の家系が天皇家だということもできる。

 秋篠宮様が、民間で議論が高まり、女系容認論が国会議員の口から出るようになるのと相前後して、紀子様のご懐妊が伝えられた。

 小林よしのりが、皇統の継続と弥栄(いやさか)を願っているのは、他の作品を読んでも全く疑う余地のないことだ。

 敗戦後、アメリカの政策によって、どうやら日本の強さは、天皇制度にあるとして、宮家を大量に皇室から離脱させた。天皇家を絶えさせるための遠謀だと思う。

 一般庶民になったからといって、たかだか60年である。また復帰していただけば、よいのではないか。法改正するなら、そういう改正であって欲しい。