「太陽が照れば塵(ちり)も輝く」――とゲーテが言うように、太陽の光は分け隔てなく全てを輝かせる。だが、あまりに日照期間が短すぎたのだろうか。太陽光を生業(なりわい)とする事業者が利益の収穫に苦しんでいるという。
東京商工リサーチが十二日に発表した調査結果によると、二〇一六年に発生した太陽光関連事業者(ソーラーシステム製造・販売、設置工事、太陽光発電による売電などを展開する事業者)の倒産件数が前年比二〇・四%増の六五件となり、調査を開始した二〇〇〇年以降で最多を記録した。
負債総額も同一三・五%増の二四二・四億円と過去最高を更新した。
上半期(一~六月)の倒産件数(三〇件)が二〇一四年の年間件数を上回ったほか、下半期には上半期をさらに上回る三五件が発生。十二月は単月最多の一〇件に上り、「時間の経過とともに増加をたどっている」(東京商工リサーチ)状況だ。
倒産件数を原因別に見ると、「販売不振」が半数を超え最も多い。次いで「事業上の失敗」「運転資金の欠乏」が続く。太陽光関連市場を成長分野と見て多くの企業が参入したものの、実現性の低い安易な事業計画による見込み違いで倒産するケース、思い描いた受注を獲得できずに行き詰まるケース、また売上高の急激な拡大の後で一気に受注が減り資金繰りに窮するケース、つなぎ資金の欠乏と在庫負担で収支バランスが崩れ、資金繰りが破綻した事例が目立ったという。
同社が十三日にまとめた一六年の全国企業倒産件数は八四四六件と八年連続で減り、バブル期の一九九〇年(六四六八件)以来の水準だ。全産業では企業の〝少死化〟が進むだけに、太陽光関連業界の倒産急増は際立つ。
太陽光システム市場は、二〇〇九年に太陽光発電の余剰電力買取制度が開始され注目が集まり、二〇一一年の東日本大震災を機に固定価格の全量買取制度(FIT)へ変更されて以降、短期間で急成長。一気に有望市場としてもてはやされた。
しかし現在は買取価格の度重なる引き下げや相次ぐ新規参入によって業界環境は激変している。「山高ければ谷深し」との相場格言があるように、上げ幅が大きいときほど下げ幅もきつい。そして「一朝にして得たものは必ず失うのも早い」(日経ビジネス編『会社の寿命』新潮文庫)ものだ。ブームの波に乗っただけの膨張は、短期で収縮を招きやすい。
「企業繁栄の寿命は三十年」。事業の採算期間は短いだけに、企業は常に成長市場を探索し、そこへ参入していくことが欠かせない。
が、その成長市場の見極めが非常に厄介だ。経済学に「ブームバストサイクル」という理論がある。自由主義経済のマーケットでは、バブル(ブーム)が必ず起き、最後に崩壊(バスト)するサイクルを繰り返すというものだ。
熱狂する成長市場ほど膨張し、破裂する危険をはらんでいる。特に、メディアが「成長市場だ」と騒ぎ立てる分野は危うい。すでに多くの参入企業がひしめく「競争市場」となっている可能性が高い。
流行には、期間の長い「トレンド(傾向)」、短い「ブーム(流行)」、一時的な「ファッド(気まぐれな熱狂)」という三つがある。ブームやファッドを追ってはならない。見極めるべきはトレンド、すなわちニーズの大きな流れを捉えることである。
□ 京都で生け花がとても綺麗なので、写真を載せてみました。




