東京で仕事してた頃、とある金曜の晩に渋谷の単館で映画を見た。原題「Wounded」(邦題「ラストハンター」)という映画だった。森林警備員の男女が密猟者に襲撃され、男の方が殺されてしまう。女の方は傷を負いながらも助かる。しかし、現場を見た彼女の命を狙ってその犯人が追って来る、というクライムサスペンス物だったっけ。心身共に深い傷を負った彼女を守り、助けようとした刑事も殺され、彼女は復讐を誓って立ち上がり、因縁の森林へと戻る。彼女を追って犯人も森林へ。命がけで戦い、負傷しながらもようやく犯人を討つ彼女。そんな内容だったのだが、何というか非常にうら寂しい雰囲気が全編に満ちていて、観終った後に切なくなってしまったのだった。
一人で映画を観て、一人で飯食って、一人で夜の東急東横線で帰宅して。その晩はとてもうら寂しく、人恋しい晩だったっけ。一人が苦にならない性分ではあるが、恋愛アドベンチャーゲームをやったり、映画を観たり、小説を読んだ後にとても切なくなる事が度々あったっけな。どっちが本当の自分か解らない。いや、どっちも自分なんだろな。
付き合ってた彼女とも別れ、片思いしてた女性(ひと)とはうまくいかず、贔屓の風俗嬢もいなかったあの頃。今は全く異なる環境にいるのに、たまにあの頃を思い出すとこれまた切なくなる。まあ中身がそんなに成長していないのだろう。
何となくそんな事を考えてしまうこの頃・・・・・・