今度の仕事は「ゴト担当」 | Re-SILVERFLEURET PROJECT

Re-SILVERFLEURET PROJECT

YAHOOブログから引っ越してきました。駄文小説等を投稿していこうと思います。

我々の業界では「不正遊技者」を「ゴト師」と総称する。簡単に説明すると、不正遊技=ゴトというのは違法な手段で玉・メダルを遊技台などから払い出し、又は店内に持ち込んで交換して儲ける事である。

たまにTVなどで報道される、P店(パチンコ店・スロット店)とゴト師たちとの攻防。アレである。手段はピンきり。遊技台を不正に開けて基板や部品を交換したり、不正部品を取り付けたり。遊技台に器具を差し込んで特殊な操作をして玉・メダルを不正に払い出させたり。もっと原始的なものに玉・メダル(他のP店から盗んだり、闇取引きされたもの)を交換率の高いP店に持ち込んで交換する「持ち込み犯」がある。

私の仕事は全国的に、又、地域的に暗躍するゴト師の情報を集約、各店舗に警戒情報を流す役目。他にも県内全店舗から報告・連絡される被害情報、不正者情報を集約し、センターと近隣店舗に情報を送るなどする。現在は我が社の「ゴト担当」部署もスマートになり、マニュアル対応的な仕事になってきているが、一昔前までは随分と生臭い職務内容であった。閉店後に誤差データが発生したら深夜~翌早朝に店舗に出向いて調査したり、営業中に現場で警戒したりしたようだ。まるで警察みたいにである。

ゴト師のバックには暴力団組織等があったりするのが常だが、一般人(?)の独立集団も少なくない。中にはネット通販などで不正遊技用の器具を購入して単独もしくは知人などと共謀して犯行に及ぶ者もいる。我々業界からするとこういう連中は「糞」である。「真面目に働け!」と言いたいところである。

店舗現場の人たちも良くも悪くもサラリーマン的になってきている。マニュアルに沿って対応し、何かあれば担当部署に指示を仰いで動く。時に警察を呼んだり。そう。会社がデカくなっていく程スマートになってくる。それでも気骨のある幹部が中にいる。自分の店で不正など絶対にさせないとの強い決意を持って仕事に従事する人たちだ。実に頼もしく、勇敢である。ゴト師を店外まで追跡したり、店内で発見して牽制したり。捕まえて事務所までしょっ引いて来た人もいた。しかしながらゴト師を捕まえるのは実に危険な行為である。連中も凶器を持っていたり、仲間が深夜に報復に来ることも十分に考えられるからだ。まあ、でもやっぱり気骨を持って仕事をする現場の人たちは偉いと思う。

そんなこんなで今夜も報告があった。店舗サイドで原因追求が出来なければ私の出番である。原因が不正者だったら2次調査、3次調査。店の為、会社の為、お客様の為それだけだ。それが役割。何故か社内で忌避されるこの部署。『ドブさらい』。