当時、人気アイドルといえば『歌は巧いがルックスが少々・・・』とか、『ルックスは良いが歌は・・・』なんてもので、両方を備えるアイドルはまあ中森明菜くらいでしたか。明菜さんは当時ツッパリイメージでとても魅力的だけど取っ付きにくい印象があった。まさに『少女A』そのもので。しかし、この明菜さんに可愛がられた後輩、岡田有希子は出色のアイドルだった(後輩と言っても事務所が一緒かどうかは知らないが、生前とても仲が良かったらしい。でも岡田有希子が散った後、彼女の話題が出た時、明菜さんはオンエア中にも関わらず大粒の涙を流していた)。みんなを惹きつける魅力的な笑顔、可愛らしい仕草、素のままの受け答え、CMで見せるひょうきんさ、自然な恥じらいをみせる演技、歌っている時の大人びた表情、声域豊かな歌声。まさにスーパーアイドルそのものだった。当時の高校1年といえば『岡田有希子派』か『菊池桃子派』かといった状況だった。が、桃子さんは可愛かったが歌はどうも・・・。けれど、岡田有希子は歌もルックスも両立、完成されていた。
彗星の様に現れ、流星の煌きの如く散った彼女。願わくは今一度世に転生し、その姿を現して欲しい。