①戦場のエースパイロット | Re-SILVERFLEURET PROJECT

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YAHOOブログから引っ越してきました。駄文小説等を投稿していこうと思います。

 旧軍のパイロットは腕が良かったのでしょうか? WW兇離─璽好僖ぅ蹈奪箸凌瑤埜世┐丱疋ぅ跳海No.1ですか。しかし、日本陸海軍のパイロットたちも負けてはおりません。中でも印象に強いのが日本海軍航空隊の坂井三郎です。
 彼は少年時代から貧弱な体格。しかし、運動神経の良さとケンカの強さでは誰にも負けなかった。生涯で200回以上の空戦を経験、撃墜数64機。驚異的なのは僚機を1人たりとも死なせなかった事。
 戦場では命の保障が無い。朝飯を一緒に喰った戦友が午前中の空戦で墜とされ、昼飯の席にいなかった。明日はわが身か。そんな地獄の激戦場。
 ある作戦で敵ガダルカナル基地を攻撃に向かった。十数機の敵機の集中砲火を浴び、愛機は被弾。彼自身も右目を機銃弾貫通し、半身麻痺。絶体絶命の状況下。かろうじて敵機1機を撃墜し、部類の空戦技量で場を切り抜け、千キロ彼方の自軍ラバウル基地を目指す。両目はほとんど見えず、頭部に重傷を負い、遠のく意識を必死にひきとめつつ操縦桿を握る。機が逆さまになる。機を立て直す。正しい方角が分らない。自製の航法尺度を使っての山勘航法。頭を過ぎる子供時代の思い出、家族の顔。睡魔が襲う。突然、後方に聞こえた気がする母の必死の声。気を奮い立たせ、機を立て直す。やがて見える基地の明かり。
 瀕死の重傷を負ったまま愛機を降り、司令官に戦況報告後、その場に倒れた。一命を取り留め本国で療養。その後、病院を脱走。隊に戻って隻眼のパイロットとして復帰した。腕、衰えず。
 奇跡のパイロット。不屈の闘士。こんな凄い人が居たんですねえ。ちなみに、2000年に天寿を全うされました。