ママ | Prayer

Prayer

祈り

2003年5月、また君に会えるようになって、

母親を亡くした君に、俺は「ママになる」って言った。

君は、

「ママになってくれるの?本当に、ママになってくれるの?」

って真剣に応えてくれた。

それから10月まで、俺はひたすら、ママであろうとしていた。


でも、10月12日、自分の中の、君への想いを抑えられず、

「1ミリでも嫌だったら断っていいから。

 キスしていい?」

って言ってしまった。

君は黙っていたから、キスした。

あの日から、俺は、君の恋人になりたい男になった。


さっき、ふと思い出した。

その日まで俺は、必死で君への想いを抑えていたことを。

俺は、ママなんだ、親なんだ。

君を、恋愛の対象にしては、いけないんだと。

さっき、ふと思い出した。

自分の中の、湧き上がる君への想いを、必死で否定していたことを。

母親をなくした君の、本当の親になろうとしていたことを。

君を、ただただ、大切にしたかったことを。


あのまま、ママだったら、こんなに苦しいことはなかったのかな。

でも、あのままママだったら、あんなに幸せなこともなかったな。


今も俺は、少しだけ、君のママ。

前はそれに加えて、少しだけ、恋人だったけど、

今は、ただ、少しだけ、君のママ。


恋人としての愛情を受け取ってくれなくなった君は、

それでも、この少しだけママからの愛情は、大切にしてくれるね。

ありがとう。

辛いけど、幸せ。