キューバでジャズを聴いて最初に一言。
「半端じゃない!」
あまりにも本物すぎて、価値観変わったわ。
最初に出会ってろくにJAZZ知らないくせに、「これ以上のJAZZはもうないな」って思った。
そもそもこれまでまともにJAZZなんてもんを聞く機会はなかった。
というか正直あんまり興味がなかった。
今回も、
「キューバでJAZZ、面白そうだな~」とか、
「打楽器がメインか~いいね~」くらいの心構えで、気持ちの半分は、「良質な音楽を聞いていつもと違うご飯とモヒートでも飲めれば良い」くらいの気持ちだったけど、途中からご飯食べるの忘れた。
今回特に強烈な衝撃を受けたのは2グループ。
そして二人のカリスマ。
まず正統派ラテンJAZZのカリスマ、オスカーバルデス先生。
そのため多くの人が知ってるJAZZとはイメージが異なり、かなり力強くアグレッシブ。
このグループではベースとキーボードは完全に黒子で、管楽器奏者は全体の"アクセント"になる。
そして、この日コンガ担当は日本人。
ただでさえリズム感の育つ土地柄で生まれ育った人たちの中でも選ばれた人たち。
定番の曲もやるが、何度も聞きに行くうちに気づく、そのアドリブの多さに驚かさせる。
音と音の隙間にいろんなタイプの打楽器が混ざり合い、心臓へダイレクトに響く。
そして、特徴的なのはJAZZの繊細さとエレガントさを持ち合わせながら、情熱的な激しさが乗っかる。
体が自然に揺れてしまうようなJAZZ。
こういうのが日常的に聞ける環境があれば、どれだけ贅沢で豊かなことだか。
もうおじいちゃんのバルデス先生は、
楽器を持つ前は杖をついて歩いたほうがいいくらい足取りもおぼつかない様子。
こっちが心配になるくらいスローな動きのバルデス先生が、楽器の前に立つとスイッチが突然切り替わる。
あらゆる小道具を使いこなす。ついにはマラカス持ってシャウトして、ステップを刻む。
完全ファンになりました。
曲の途中には、それぞれの楽器のソロがある。
特に打楽器のソロで完全にトランスした。
最初にドラムのソロでは何回も聴いてるはずのメンバーが驚きながら、ボーっと見とれていた。
コンガのソロで途中からお客さんが我慢できなくなって拍手喝采。
バルデス先生のボンゴでは、そのあまりに強すぎる音にみんなが黙り込む。
両手で挟むようにして叩くアフリカンの打楽器を3つ使って音がぶつかりあう場面では、
自分がどこにいるかわからなくなる。
ソロで余計にはっきりする一人ひとりの尋常じゃない演奏レベルの高さ。
どのグループもドラムわやなんです。
その日の気分でガンガンアレンジを入れて、あたかも最初から予定していたかのように合わせる技術。
明らかに演奏者の表情を見て呼吸を合わせる。
JAZZの面白さはここにあるってのがわかった。
ベースはあるとしても無言の意思疎通で、リアルタイムに作られていくのが見ててすぐわかる。
気持ちのノッてる人はとことん攻めて、周りはそれに同調する瞬間。
お客さんによっても違うし、その時の気分や調子によっても毎回違うものがその場で作りあげられていく。
その作られていく瞬間は、オスカーバルデス先生の時に限らず、他のグループでも見れる。
上の写真の時なんて、キーボードも飛び入りで交代するし、真ん中のバイオリンの人も持参。
JAZZ通の人に「JAZZなんてそんなもんだぜ」って言われるかもしれないけど、その瞬間で観客全員が拍手喝采で唸らせるものを突発的に作りあげられる実力は、やっぱり特別だと思う。
途中から、「これってJAZZ?」って思ってしまうこともある。
JAZZらしいけど、ジャンルなんてどうでいいわ。
あるキューバ人の先生が言っていたらしい。
「まず技術があってこそ。さらにそこに情熱や気持ちをのせて人を感動させることができる。」
たまらん。
キューバの凄いところは、
こういった世界でもぶっちぎりでトップレベルの実力者達の演奏がローカルな場所で聴けること。
スペースをふんだんに使って、キャパもそんな広くなく、3~40人に対しての演奏。
少し早めに行けば一番前で足広げながら聴ける。
近くて自分の為に演奏してくれてるみたいな感覚にもなる。
しかも、10CUC→約10ドルで入場して、その支払った分飲み食いできる。
演奏後は超大御所が友達のように接してくれる。
すごい場所だわ。
映画のクライマックスに感じる感動がずっと続く感覚。
またひとつ凄いものを知ってしまいました。


