今まで見た中で最も心打たれたモスクがサナアにあった。
サナアの中心からそれた場所に位置し、
乾燥し切り立った山とケンタッキーのすぐ傍という統一感のないロケーションに関わらず、
他を圧倒したスケールを放つ存在感。
遠目から最初に見た時に連想したのは、インドのあのタージ・マハル。
しかし、歩いて近づくにつれその興奮はあのタージ・マハルを見た時とはまた違う神聖さと、
むやみに近寄ってはいけないような厳粛さを感じた。
それもそのはず。
ここには観光客はおらず、昔と変わらない服装・イスラムスタイルのイエメン人が集まり、
お祈りをする人たちの為の現在進行形の生きたモスク。
基本的にトルコのブルーモスク等のように観光用に開かれたモスク以外は、
部外者を受け入れるような雰囲気はまったくない場所なだけに、ここに入れるのが意外だったほど。
ゴゴゴゴゴゴーーー
ドドドドドドドーーー
大理石ー!!
モスクの外観は背の高い柵で覆われ、
イスラム教徒以外の人間にとってむやみに近寄りがたい雰囲気を醸し出している。
モスクの巨大な敷地内に向かっていた直前に、
今からまさにモスクへ向かおうとしているイエメン人と出会い、連れて行ってくれることになった。
人の話では、外国人も敷地内に入れる事になっているらしいが、
ゲートで銃をぶら下げている警備員アクションは
「モスクの傍にはいかないように」というものだったように思えた。
さらにゲートをパスすると、お祈りが終わって帰ろうとしているイエメン人が激しい口調でなにやら言っている。
「そいつらはムスリムか?」
「イスラム教徒以外は出て行け!!」
そんな言葉をかなり強い口調で叫んでいるのがわかる。
イエメンは完全なるイスラム国。
そして、厳格に戒律を守り敬虔な信仰をする国。
正直、怒鳴られている時はかなり動揺した。
でも目の前にあるモスクのあまりの美しさに、心は完全に持っていかれていた。
「もっと近くで見たい!」
今ならアンコールワットに魅せられた写真家、一之瀬泰造氏の気持ちも少しはわかるかもしれない…
それほど惹きつけられた。
怒鳴られた時は、敷地内に連れてきてくれたイエメン人がうまくなだめてくれて波風は立たずに済んだ。
それにしても、あまりに怪しく壮麗なものを前に、何回ため息が出たかわからない。
遠目から写真を撮っていると、「中にも行こう」というような事を言ってくれた。
ものすごく嬉しかったが、行っちゃいけないとこに行くような興奮。
触れてはいけないものに触れてしまうような感覚。
緊張感を抱えながらモスクに近寄る最中、実はポリスだったというイエメン人が
唯一の英語で教えてくれたのは、このモスクの総工費が7ミリオン$だということ。
天文学的な費用と言われるタージ・マハルとは比べられないが、
このモスクには現在進行形で進行されているリアリティがある。
大理石の床を歩き、イエメンスタイルの男達と黒いベールに包まれた女性達の姿が視界に入ると、
このモスクが放つオーラも強さを増しているようだった。
人が通るにはでか過ぎる門を超えると簡単な荷物検査。
それをさらに超えて中に入ると……
シャレになりまへん。
もう…わやです。
洗練に、洗練に、もう一コ洗練を重ねた『美』だね。
写真じゃ今ひとつなのが残念!

「美しい!」なんて日常的に使うことなんてない言葉でも、なんの躊躇もなく言える。
半端じゃなく美しいっ!
細かいです。
結構鮮やかです。
カメラモードでいろいろ色が違って見えます。
ここならお祈りしたくなる気持ちもわかるし、ちょっとお祈りしてもいいかなって思った。
旅行者の姿がなく、とてもピュアで静粛な雰囲気に包まれた中は表現しづらい居心地の良さがあった。
ニュースで報道されているような過激的な要素は皆無で、
むしろ巨大な抱擁感を与えられ、気持ちが落ち着く場所。
落ち着くんだけど、ため息と鳥肌が止まらない。
完全にやられた。ハート鷲づかみされてしまいました。
トルコで見たブルーモスク、シリアで見た最古のモスクetc…でも今回のが断トツNO.1。
建造物を見て、ここまでポジティブな反応が体に出たのがはじめて。
偶像崇拝が禁止され、宗教的なデザインが限定されているイスラム教。
モスクで見た一つ一つの模様は、洗練に洗練を重ねられた美の結集なのかもしれない。
色がキテます。
太陽の光がカラフルな色に変えて室内へ。。
このガラスが並んでるとなかなかため息モノですぜ。
ちょっと外に出ると大理石とイスラムアート。
室内は意外に色鮮やかだったりして。
でもやりすぎてないのが好きだな~。
一個一個凝ってます。
お祈りの前には、銭湯みたく人がズラーっとならんで、手、足、顔を洗う。
ちゃんとお祈りしてるイスラム教徒の人はとても清潔です。
人が小人に見えるほど大きな門。
この前に立つだけでなぜかドキドキします。
お祈りの為に作られたモスク。
中世と変わらない服装。
このシチュエーションがこの心地いい緊張感の理由なのかもしれない。
写真でこれだから、実際は胸がはちきれそう。
幸福のアラビア。
BEAUTIFUL!!



















