SUFIとは、


イスラム唯一神アッラーとの合一を目指し、羊毛をまとって修行に励む人々を指す。

イスラム神秘主義の彼らが、アッラーとの一体化の為にすることと言えば……



そうです!!



もうお分かりですね。



回るのです。



回り続けるのです!!



それぞスーフィーダンス。



Go For  シルバーバック

カイロのイスラム地区に、とある公演会場があり、

入場制限というハードルをクリアすれば、無料でハイレベルなスーフィーダンスが見れる。


イスラム圏、しかもエジプトで無料公演を毎日している時点で意外性抜群だったが、

その得たいの知れない様子に見てる側までトランス状態に入ってしまいそうになる。


Go For  シルバーバック

開演するとまず始めに、民族音楽で会場を沸かせる。

胡弓のような弦楽器と独特のラッパでアラビア調の音色を響かせる。


その後は個人的にお待ちかね、打楽器集団によるパフォーマンス。


   Go For  シルバーバック     Go For  シルバーバック

それぞれの楽器にソロパートがあり、それぞれどんな音が鳴るのか、高いレベルで見せてくれる。

会場を揺らす打楽器の力強さと、独特のメロディで魅惑のイスラム世界に引き込まれていく。


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唯一無二のパートを勤めるカスタネットおじさん。


彼が全体を操作するリーダー役のようであり、その陽気で弾けた表情と前歯が抜けている笑顔を見ているだけで、見ている側を大いに楽しませてくれる。


宗教的儀式的なイメージが強かったが、カスタネットおじさんはじめ、演奏している人全員の表情がとにかくとびきり楽しそうだったのが強烈に残っている。

純粋に音楽を鳴らす楽しみ方は、マリで見た音楽家達と通じるものがある。


高いスキルと息の合った音の応酬、どんどん引き込まれていくような構成などに目を奪われがちだが、

彼らを見て最も引き込まれた一番の理由は、とてつもなく楽しそうに演奏しているということ。


そこにいるだけで、気持ちが高鳴る高揚感に浸れる。

そんな特別な空間から、ショー徐々に熱気を増してくる。



Go For  シルバーバック
頃合を見て、派手な衣装を着た一人のスーフィーダンサーが登場する。

(写真は後半に行われた三人によるド派手な回転グルグル)


そして、お待ちかねグルグル回り続ける、神との融合を試みるグルグルスーフィーダンス。

大きな巻きスカートは地面に着くことなく、時計回りに回り続ける。


ダンサーが回り続ける間、その周辺では演奏隊イスラムらしさたっぷりの演奏をしていたり、

歌い手が「アッラー、アッラー」だけ聞き取れる歌を歌いながら体を揺らしていたり、

踊り手の周りを取り囲むかのように、神聖な踊りを披露する。



『神との融合』……響きを聞いただけで、怪しんでしまいたくなるが、

神(アッラー)は、彼らにとって生活に根付いた疑いようのないモノ。



故にこの儀式的な催しに対する、違和感はなく、

むしろ彼らから発せられる雰囲気からは幸福感すら感じた。


カスタネットおじさんの表情がすべてを物語っている。



思わず爪を噛んで見てしまう感覚。


Go For  シルバーバック


序盤は、新しいものを目の前にした時にある新鮮な驚きだけだったが、

回っている時間が10分、20分と過ぎていくと、少しハラハラしてくる。


歌と踊りが区切りのいいとこで、いったん止まっても回り続けるスーフィズム。

今回見たステージでは結局一人の踊り手…というか回り手が、なんと30分もぶっ続けで回り続けていた。


Go For  シルバーバック

序盤は目にも普通の輝きはあったが、時間が経過するにつれて、


苦しそうな表情 → 無の表情 → 少しの笑顔 → 遠くを見る目


と、移りかわり、最後には今そこに存在する世界を見ていないような目に変化していく。

まるで何かが憑依したような…。


精神がどこかに持っていかれたような目をしていた回り手が、音楽に合わせて最後ピタリと止まった。

するとさっきまで、何かに憑りつかれていたような目は一瞬にして消え去り、

予想に反して、シャイな笑顔と、生き生きとした落ち着いた目をしていた。


それを見た会場全体は、一気にどよめいた。


まさに『戻ってきた』という表現がピッタリ。


その時、訳もわからず、口を開けて見ていた事にやっと気がついたのだった。



Go For  シルバーバック


視覚、聴覚にとどまらない、まったく異質な刺激を受けて、

約1時間半のステージを見た後は、すぐにその場から立てなかった程、衝撃だった。


神聖さと、表現しがたい喜びが最大限にMIXされたスーフィーダンス。



このダンスと出会った事に意味を見出すならば、


"まだまだ世界には、理解を超えたとんでもないものがある" というメッセージのよう。



旅にマンネリを感じているヒマなんてない。