今から4600年前に作られたピラミッド。
"王の墓"として建てられたと言われるピラミッドだが、ある学者の説では、洪水によって職を失った際に打ち出した"エジプト国民救済の為の公共事業"とも言われている。
世界7不思議のうち現存する唯一建造物であるピラミッドは、今では文明的な建物が立ち並び、車が行き交う街のすぐ隣に位置していた。
<移動中突然現れる>
イメージと違い、砂漠の真ん中ではなく、街中から突然現れる最も有名なギザのピラミッド。
紀元前の建造物と現代の生活が隣り合わせという、なんとも不思議なコントラスト。
あまりに予想外の出現に遺跡で久々に気持ちが高鳴った。
<クフ王のピラミッド>
そして、あの有名すぎるクフ王のピラミッドに来てしまいました。
ここギザには有名な三つのピラミッドがある。
高さ146.6m(頂点が無くなって現在138.8m)で最大規模であるクフ王のピラミッド。
頂上にツルツルの化粧石が残っているカフラー王のピラミッド。
ここにある三つのうち最も小ぶりなメンカウラー王のピラミッド。
見た瞬間の感想……でかい! シンプル! 観光客すごい!
これに尽きる。
<カウラー王のピラミッド>
ピラミッドの歴史や、エジプトの歴史にはさほど興味はないが、ピラミッドの持つパワーには興味がある。
例えば…
植物の成長が早まる。
魚が腐らない。
静電気が発生する。
精神を集中させる。
刃物の刃の寿命が延びる。
ものすごいパワースポットと言われるピラミッド。
この怪しいまったく科学的根拠のない効果に引かれるのは僕だけでしょうか。
科学的に、そして理論的に証明できるものは結局思考の範囲内の出来事。
何のために、どのように、建てられたかも不明なこの摩訶不思議な古代遺跡を無理に理解しようとするよりも、
ただ眺めて、その訳の分からない存在を適当に感じる方が、自分なりの新たな発見があるように思える。
近くにいくと一つ一つの石の大きさが良く分かる。
平均すると大体胸の高さまである石の塊。
それらをどのように切り分け、どのように運ばれたのか、しかもここまで正確にどうやって積み込まれたのか……これこそ誰もが思う疑問に違いない。
しかもピラミッドの四方は完璧に東西南北を指しているという。
<三大ピラミッドを一望>
写真に熱中している展望台から離れて、誰もいない静かな場所で黙ってこの三つのピラミッドを眺めていた。
ノイズが入らない静かな場所で見るピラミッドは、喧騒の中で見るのとはまったく違う存在感を放ち、
遠くで見ると人や車がさらに小さく見え、その存在感は少し威圧的にも見えた。
すると、遠くから攻めてくる敵を威嚇する為のもののように見えたり、
遠くから帰省するための目印のようにも見えた。
ピラミッドの四方が東西南北を正確に示し、太陽の位置によってピラミッドにいろんな方向から影を作る様子から、かつては時間を示す大きな時計として使われていたようにも思えてくる。
なんとなく古代の人は太陽だったり、雲だったり、星だったり、大気の流れレベルでいろんなものの考え方をしてたように思えてくるのが不思議だった。
グローバリズム通り越して、宇宙規模の思考だったのかもしれない。
シンプルなシルエットがいろんな妄想を掻き立ててくれる。
そして、なんとなく古代の人の生活をイメージする。
ピラミッドと向かいあった後の帰り道、ものすごい倦怠感だった。
もしかしたら、生気持ってかれたのかも。
学者が無理にあれこれ断定するよりも、なんかわからないままの方がよっぽど好奇心が刺激される。
そんな説明不可能のピラミッドはなんとも魅力的。
ピラミッドの傍にはこの人。 ん?人? スフィンクス!
体はライオン、顔はファラオ王の守り神。
どんな発想っすか。
スフィンクスの鼻と長いアゴ部分がないのは、はっきりした原因は不明。
一般的に、
鼻はナポレオン軍による砲撃が直撃したと言われ、
長い顎鬚部分は、イギリス軍によって取られたらしい。
イギリスは、ぶん取った顎鬚を現在大英博物館に保管してるというからえげつない。
スフィンクスにまつわる有名な逸話がある。
かつて守り神のスフィンクスは、通りかかる人にあるナゾナゾを出していたらしい。
「朝は4本足、昼は2本足、夜は3本足。 この生き物は何か?」
この問いに答えられなかったものは、スフィンクスに食い殺されていたらしいが、
ある旅人が正解を答えるとスフィンクスは崖から身を投じたらしい。
どっちにしてもナゾナゾで死にたくはない。
スフィンクスの視界の先にはケンタッキー。
一時有名になったこの絵。
体は肉食獣ライオンのスフィンクス。
ケンタッキーを見続けなくちゃいけないなんて……こいつは同情の余地大ありだな。
サッカーラという場所にある、階段型の階段ピラミッド。
修復されてるピラミッドなんて見たくないぜ。
ギザから少し遠ざかった場所にある赤のピラミッド。
観光客も少なくて、周りも何にもないところにあるのが、また良い。
こっちのほうがイメージ通り。
ここでは、ギザのクフ王のピラミッドに続き内部に潜入。
人が一人ギリギリ通れる長い急斜面の階段を降りていく。
突然中が開けると強烈なアンモニア臭がする。
鼻が痛くなるほどのニオイのキツさ。
そういえば、ここのピラミッドから出てきた外人の子供が「二度と来ねー!」と言ってた意味が良く分かる。
落書きなんかも好き放題。
とりあえず、ピラミッドのなかに『BURTON』っていう落書きをした人のセンスは怪しいものだった。
最後行き止まりになると、ゴロゴロとした岩があるだけ。
空気も薄いし、ニオイ強烈だし、階段は汗だくだし、
やっぱ旅は若いうちにだな~と、こんなとこで強く思った。
最後は屈折ピラミッド。
なにやら作ってる人が途中で、
「あれっ!?角度なんか変じゃないっすか?」と気づいて、
中間辺りから角度を変えたという柔軟性抜群のピラミッド。
初めの頃に建てられた失敗ピラミッドとの呼び名もある、マニアにはたまらない魅力たっぷりのピラミッド。
大型観光バスが目の前に止まる訳でもない、この途中まで失敗ピラミッドを見るとなぜかホッとする。
ピラミッド……一生に一度見る価値有り。
それは、 なんと一年半以上前にオーストラリアの何にもないド田舎で働いていた頃の職場同僚だった
ニュージーランド人(Steve&Deb)に、このエジプトで奇跡的に偶然再会した事。
仕事を辞めた時、お別れパーティーをしてくれた彼らは、
オーストラリアの旅で最も再会したかった現地人だった。
階段ピラミッドの写真を遠目から撮っていて、振り返ると、一瞬お互い目を合わせて時が止まった。
人目をはばからず、奇声を上げ、何度も抱き合い、抱きかかえられ、宙に浮いた。
うれしいことに名前もしっかり覚えててくれていた。
オーストラリアで彼らと別れる前に、「see you again」といって、本当にその通りになった。
お互いいるはずもなかったエジプトで、まったく違うところから来て、
まったく同じタイミングで同じピラミッドを見に来ていて、偶然向かい会う。
これこそ奇跡としか思えない。
あの時の感動と興奮は、どこかのすごい遺跡を見た時より、ピラミッドを見た時よりもずっと大きかった。
もしかしたら、この再会もピラミッドの解明されていないパワーが働いたのかもしれない。















