驚愕のガンビア人宅を後にする。
早朝タクシーに乗り込み、空港傍のエリアから大使館があるダカール中心部へ向かう。
この長距離往復をかれこれ3往復。
前回発覚した売春宿は避けたいので、風の噂で聞いた別の宿へ。
航空券のチケットは、翌々日の早朝6:30発。
明日の夜中、空港に向かいたいので丸2日分の料金ではなく、
24時間+12時間の料金でグダグダ交渉し、なんとも適当にOKの返事。
一息つかぬ間に、一路エジプト大使館へ。
今まであまりにいろんな事がうまくいかなかったせいか、本当にビザがもらえるのか疑いまくり。
なんといってもインシャッラッなので、彼らが忘れちゃってたり、後回しにしてたらセネガル出国作業が振り出しに戻ってしまう。
彼らのやる気もどうせインシャッラッでしょ?
なんとも懐かしい。
受験の結果発表を思い出すような不安定な気持ちになる。
それだけ、いろんな事がことごとくうまくいかなかったし、いい加減早く出たかった。
午前9時。
エジプト大使館の門を一番乗りで通過する。
階段で二階に上がり、窓口の前へ。
かつてないほどサワヤカな挨拶をしてみると、Mr,インシャッラが半笑いでお出まし。
「I`m coming to get VISA」 というと、
半笑いのまま奥へ戻っていく。
そして、戻ってきた手には!
あっ
あっっ
あったー!!
ビザが押されたパスポート!!
神の思し召しあったらしい。
「よし!帰ろう!」 と、思ったら、ちゃっかり預けてた航空券を渡し忘れているMr.インシャッラ氏。
気づいたからいいものの、この期に及んでまだ罠が潜んでいるとは…
しかし、もう慣れたぞ。
このしょうもない展開。
うれしさのあまり、奇声を上げながら小走りで階段を下る。
すれ違うおっさん、なんのその。
宿に戻ると、「1日半の滞在はやっぱり無理だから二日分払え」と、急に宿のスタッフが言ってきて、
わざわざボスを呼んで、あーだこーだ再交渉成立。
問題多すぎ。
とりあえず疲れが限界にきて適当に昼寝をし、その後腹が減り街に繰り出す。
会いたかった路上物売りと再会し、別れの挨拶を交わす。
そのうちの一人は度重なる災難を同情してくれて、売り物のネックレスをくれた。
「お前とおれらは、おまえに問題が出てくる前から友達だったから、これぐらいは当たり前だぜ」
うれしすぎるし、かっこ良すぎ。
『いい奴ばかりじゃないけど~悪い奴ばかりでもない~♪』
セネガルではトレイントレインの歌詞が沁みる。
こういうのは絶対に忘れらんない。
逸る気持ちとは裏腹に夜はゆっくりゆっくりと更けていく。
外では相変わらず、騒々しい都会の音。
シャワーで汗を流し、必要の無いものをゴミ箱に捨てる。
夜11時。
約束だったはずの時間より1時間早く退室を迫られ、少し軽くなったバックパックを背負い宿を出る。
宿の門番をしている陽気なブラジル人にタクシーを捕まえてもらい、相場通りの3000cfaで深夜のダカールに新鮮さを覚えながら空港へ向かう。もうこれがセネガル最後の移動だと願いつつ……
夜11時30分前。
空港に到着すると、「EXCHANGE? EXCHANGE?」攻撃をかわし、セキュリティーをかいくぐる。
見慣れた空港内に到着すると、前回よりも多くのヨーロピアン達。
首に空港職員を証明するカードをぶら下げた男が話しかけてきた。
「I Can help you. You need to write departuer card.」
当たり前のように出国カードをInformationカウンターから取り出し、代わりに記載してくれる空港職員。
セネガルのダカール空港内に入るには、迷彩服を着た軍人のチェックがある為、部外者は立ち入れないようになっている。なので、この職員はフェイクではなく正式な空港の職員。
にも関わらず、おれの出国カードを適当に穴埋めし終わった後に、この空港職員が言った一言が、
「I helped you. Now you give me money.」だった。
周りに欧米人の団体がいたにも関わらず、なんの悪びれもなく、「助けたから金よこせ」。
日本大使館に行ったときにも、空港のどうしようもないトラブルは尽きないという話を聞いていたが、
はっきりいってダカール空港内は腐敗しきっている。
意地を張るより出たい一心でコインを渡すと、「ONLY?」などとぬかし、なんとも不服そうな顔。
二度とこの空港には来ないわ。
無駄に動かず、空港の待ち合いイスにジッと腰掛ける。
ウトウトしながらも、荷物を気にし続ける事5時間。
ついにチェックイン手続きの時間。
バックパックを担ぎ、Royal Air Moroccoのカウンターの前で数人の欧米人と列を成して並ぶも一向に手続きが始まらない。予定のチェックイン時間から遅れて、突然現れた問題の空港セキュリティチェック職員と移動式チェック台。
チェックインカウンターに並んでる人をわざわざ引き戻して、空港セキュリティチェックの台に並ばせる職員。
早めにカウンターに並んでいた欧米人から非難を浴びながらも、ダラダラ遅れて来た職員は逆ギレしている。
その段取りの悪さと、お客の扱いは日本ではなかなかお目にかかれないレベルのものだった。
どうやらうんざりしているの俺だけではなさそう。
出国先のビザ確認とパスポートのコピーを取っている。
並んでいる横をガンガン割り込む欧米人。
なんなんだこの空港は…まったく…。
前回引っかかって、激論を交わしたエジプトビザ確認の順番が来た。
何回もおれのパスポート見てるけど、なんなんすか??
得意のぷ、ぷろぶれむっすか?
またっすか!?!?
もう、無理!
チェックされてる間の心境がネガティブ。
正直めちゃくちゃ緊張した。
まあ実際はスムーズにパス。
パスした人からRoyal Air Moroccoのカウンターへと並んでいく。
ここから当たり前にチェックイン手続き完了。
そして、
そして、そして、
間違いも起こらず、Immigrationで出国のスタンプを押された瞬間、
思いっきり飛び上がって喜びたかったけど、そこは紳士的に小さくガッツポーズ。
うむ、我クールmen!
今回ばかりは精神的にも、肉体的にも、金銭的にも正直きつかった。
でも、やっとだ。
やっと抜けたぞセネガル!
出国でこんなうれしかったのは初めてだった。
主張なくして変化なし!
いざNEXT STEP。
1月23日、早朝6:30。
浮かれた青年を乗せた飛行機は乗り換えの地、モロッコのカサブランカへ向かって行くのだった。
完!