アフリカ西の果て、セネガルはダカールから船で20分のところにある島、『Goree Island』。

この島はかつてヨーロッパ諸国の支配を受けていた頃に、アメリカ大陸へ物資の輸送だけでなく、
人間の輸送売買の拠点、すなわち奴隷貿易の拠点になった島。


皮肉にも中・南米の人にとっては、祖先の故郷とも言える場所とも言える。


今回バマコから33時間かけてセネガルに来た最大の理由は、このゴレ島を訪れる為。
かつての面影を感じ、悲惨な歴史が今はどのような形に変化しているか、どうしてもこの目で見ておきたかった。



前日に地元のおじさんから聞いていたゴレ島への行き方通りの道を行く。
宿から10分程歩くと、ゴレ島へ向かうフェリーポートへ到着した。

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『負の世界遺産』、として登録されているゴレ島へ向かうフェリーの値段は、

20分足らずの距離に関わらず5000cfa。

学割だと半額に。


※物価感覚からして現地の人にとって5000cfaは、5000円くらいかそれ以上。
 屋台メシ600cfa、コーラ500m350cfa、バス150cfa等、円感覚と似ているのが多い為。


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今にも出発しそうなフェリーに駆け足で乗り込むと驚いた。


週末だからなのか、中型フェリーに詰め込まれていたのは、老若男女問わずヨーロピアンで溢れ返っていた。

アジア人の姿は自分以外見当たらない。

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                            <出航の時>


船に乗り込んで、港から離れる瞬間、
かつて西アフリカから奴隷として集められた黒人は、この時どんな気持ちだったのだろうか?


そんな気持ちになりながら、奴隷貿易とは歴史を重ねていない日本人が離れる港を眺めていた。


フェリーに乗り込んで最も気になっていた事、それはフランス人を初め、
奴隷貿易に関わっていた人種の人々がどんな表情でゴレ島に向かうのかという事。


ほんの一握りの年配者は、静かに神妙にフェリーに乗っていたように見えた。
しかし、ほぼ大多数の人が単なるリゾート地に向かう浮ついた、ただの団体旅行者。



歴史とは裏腹に、パーティーにでも行くかのような服装の女性。


歴史とは裏腹に、すでに酔っ払い過剰な笑い声のおっさん。


歴史とは裏腹に、イチャつく年配カップル。


歴史とは裏腹に、島をバックにカメラの前で悩ましいポーズ。



まだ植民地は続いている。


現在は穏やかな観光地としての側面を持つことでも有名らしいが、
ゴレ島に行くからには、ここが奴隷貿易の拠点になっていた事は周知の事実。


だが、かつて奴隷貿易に関わった人種のこの姿を見て、強く思った。
間違いなく将来、違った形で歴史は繰り返す。
少なくとも、同じ船に乗った人の中には、過去から何かを学ぶ気は何もないようだ。


ここにいる人達の言動だけで、その国の人全体を判断する気はない。
だが、ここにいる人たちの言動が俺にとってすべて。

そして、現実。



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                         <ついに見えたゴレ島>


フェリーは進み、想像とは違って、きれいな海に囲まれたなんとも和やかな雰囲気の島に見えたことか。


到着間近になると、太鼓のリズムが聞こえてくる



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                  <初めて見る打楽器、そして激しく歌う地元民>


船を降りた桟橋では、到着を迎えた地元のグループが音を出し、歌いながら迎えている。


なんとも陽気な落ち着いた島の雰囲気だろうか。


降り立った瞬間では、ここが奴隷貿易の拠点にはまったく思えない。


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旅行者への受け入れ体制が整っている。


オシャレなレストランが並び、お土産屋、ホテルが所々にあるこの島は、

今や観光で成り立っているようでもあった。


そこに住む人たちは、ダカール市内で見た人たちよりも断然きれいな身なりをし、

英語を話し、落ち着いた人たち。


確実にこの島にいる人たちの生活レベルは、セネガルでは高い。


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腹ごしらえにサンドイッチ。


ほんとに島全体がゆっくりしている。


フェリーの時間に観光客が来て、お土産やガイドで働いて、日没前にほとんどの観光客は帰っていく。


それが、今の彼らにすり込まれたタイムスケジュールのようでもあった。


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                       <島のシンボル、バオバブの木>



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                          <やっぱりサッカー>

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                                            <お土産屋兼宿>


島の南北が900m、東西が300mの小さなゴレ島。


島を一周するのに1時間もあれば十分だった。


予想に反してなんとも居心地のいい雰囲気が漂う。



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   <家の色と花の色が鮮やかにマッチしている>              <ガスマスク>



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        <お土産がとにかく多い>                     <ほのぼの>


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   <桟橋で演奏していたグループのCD購入>           <顔みたいな…>


歴史を跳ね除け、観光客の恩恵を受けている現地人。


その姿を見ると、ただ単純にバカンスの雰囲気で来て、お土産を買い、レストランで飲み食いしている、

ヨーロピアンとは、経済的な側面でギブ&テイクが成り立っている。


世界の悲惨な場所は、どこでも観光客が集まる場所になる。

つまり過去の悲惨な出来事が、ただの悲惨な出来事として、現在には至らない。


見方を変えれば、それはただ"今"を見ているだけとも言える。


陽気でフレンドリーに振舞うゴレ島の人達を見て、安心する反面、

大きな態度ではしゃいでるヨーロピアンを見ると理解に苦しむ。


ゴレ島の"今"には、単純に一言で言い表せない微妙な力関係が存在している。



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島を散策後、最後には、奴隷貿易の現場へ……