ペトラからマイクロバスで南東に1時間半。


ヨルダンの砂漠地、Wadi Ramに到着。


Entranceの建物はあるものの、

一本道の周囲には岩肌の剥き出しになった乾いた岩山と砂漠、サバク、さばく‥‥



Go For  シルバーバック

ペトラで仲良くなったお調子者スイス人のヤニスが雄弁にWadii Ramについて語ってくれていた。


彼曰く、

ヤニス:「Entranceでわけのわからない入場料を払った後は、道路の一本道に沿って歩いていけば村につくぜ!」

   俺:「歩いてテントのある村まで行けそう?」

ヤニス:「もちろんだぜmen!あまりの近さにタクシー使って後悔したぜ」


ここではほとんどの人が事前にツアーへ申し込む。

少数の人がEntranceで出会う地元民と交渉か、入場料を払った時に宿泊込みのツアーに申し込む。


時間があるので、全部自力でやってみようと村まで自力で歩いて行ってみた。

が、遠すぎるぞヤニス!


Backpackを背負いながらでは、一本道以外が灼熱という状況も手伝ってバテテきていた。

お調子者ヤニスの性格を計算に入れて決断をしていなかったツケがまわる。


バテはじめた頃、心ある現地人が拾ってくれなんとか村まで到達。



Go For  シルバーバック


Wadi Ram唯一の村にはベドウィンという砂漠の民が住んでいる。

その多くが頭に赤と白のチェック柄スカーフを被り、観光客を相手に生計を立てているよう。


英語も堪能で、お客さんの取り合いはかなり熾烈を極めるといった様子。


村に着くと、村唯一のレストランの裏手にあるテントに3JDで宿泊。

ここではホテル等なく、宿泊はテント以外に選択肢はない。


それもそのはず、

村とはいえ歩いて5分の範囲に食料商店が4~5件あるだけで、その他の店は皆無。

あとは現地人の家があるだけ。


辺鄙な砂漠の村周辺が突如観光地になった。


そんな場所。


道路もすぐに途切れて、永遠と砂漠、岩山が広がるだけのシンプルな場所。



Go For  シルバーバック


基本的に子供がラクダ使い。


子供がラクダを棒で殴りつけているのを見るとなぜかせつなくなる。


ラクダはご存知砂漠の移動手段で各家庭にラクダは飼われているよう。


「おれのラクダ」


そんな言い方をするベドウィンにたくさん会うことができた。

あるおっさんがラクダは水を飲まずに3ヶ月生きられるといっていたが信じられない生命力。


今まであったラクダの思い出といえば、

大学受験の時、必死こいて受験勉強してたのにも関わらず、

背中のこぶが一つのヒトこぶラクダと、二つのフタこぶラクダの違いについて、というわけのわからない

問題が出題されたという苦い記憶が甦るだけ。


とりあえずこいつらはフタこぶラクダ。



Go For  シルバーバック


ツアーは大体がテント宿泊・メシ・4WDツアー込みとなっている。

大体が砂漠の岩山の影にあるテントを拠点に4WDツアーを行い40JDくらいらしい。


お調子者ヤニスが「岩山をつたって歩いていけば、4WDツアーなんて必要ないぜ」


とか言っていたけど、

水がないこの砂漠で遭難したらシャレにならないし、

砂漠を舐めたら恐い事を実感したので、なんとか4WDツアーだけには参加したかった。


テントが決まっていたので、村にいるベドウィンと4WDツアーだけの直接交渉していた。


水を買いに来ていた他のツアー客に紛れて、参加しちゃおうとか思っていたけど、たまたまドライバーが英語

わからないとか、一人だとモロにガソリン代などかかってしまいとても払える額ではなかった。


ルートと値段のバラつきがホントに激しくてなかなか決まらないでいた。


そんなとき、眉毛のつながったベドウィンの我修院達也氏が俺にツルの一声をかけてきた。


「Entrance行くぞ! お前が人集めれたらタダでいいぜ!」



利用されている。

しかし悪くない。

完全に利害が一致した。


よっしゃー!


意気揚々と我修院先輩の車に乗りこみ、子供に車を押してもらいエンジンをかけていた。

Entranceに向かう途中エンジンが止まった。


「Do you like walking?」


スキッパを覗かせ余裕の表情で質問を浴びせてきた。


やるな砂漠の男。


Entrance周辺で俺がシェアメイトを集うべく観光客に声を掛けた時、ビジターセンターの親父が激怒してきた。


「誰の回し者だ?ここで呼び込みなんぞ許さんぞ」


お客さんを捕まえるのに、ここにいる砂漠の民は目の色を変えている。

1日いろんなベドウィンと交渉を続け、我修院先輩と行動したおかげで

地元の彼ら目線でここでの熾烈な砂漠ビジネスの実態に触れることができた。


砂漠という厳しい立地を楯に、強気な値段を言ってくるベドウィンはたくさんいる。

限られた観光客と村内の競争相手達。


笑顔の裏の実状は、想像以上に泥臭かった。



結局初日は、お客さんも捕まらず終了。


1日に一本しかないバスで俺が来て、その後お客さんが来ないのは当たり前といえば当たり前。



Go For  シルバーバック



そして翌日早朝、


シェアできる相手を探してウロウロしているとペトラで少し話したドイツ人のクリスチャンと偶然再会した。

彼は大人数でシェアするツアーではなく、できる限り少人数で砂漠を楽しみたいと思っていたらしい。


彼が頼んでいたベドウィンのオッさんに参加したい旨を話すと、やはりしっかり高めのツアー代を言ってきた。

4WDだけで40JDはやりすぎだ。

前日、丸1日を使って交渉し続けたおかげですでに相場は見えていた。


でも、朝一のこのタイミングを逃すとまた何もできず1日が終わりかねない。



少し強気に、

「二人も三人もツアーに連れて行くなら一緒でしょ?

あんたの言った40JDって額は他のツアー会社では朝晩メシ付き、テント付きの額だ。

メシもテントもいらないから夕日までの時間のツアーで30JDなら悪くないはずだ。

あなたにも私にもいいでしょ?」


昼前から夕日まで‥‥他のどこよりも長い間砂漠を疾走してもらえるってことでは悪い条件じゃないと思う。


そうやって便乗して、フランス人のアンと三人で砂漠ツアーに出かけた。


三人とも静かに雑音なく砂漠を楽しみたいというのが目的で、お互いを尊重した静かな素晴しいメンバー。



Go For  シルバーバック


砂漠ツアーのドライバーはサイドミラーに映る生意気な16歳の若造。


村をウロついていた時、小学生くらいの子供が運転している姿を目にして、越し抜かした記憶がある。

ドライバーの彼に、「何歳から運転してんの?」と聞くと、驚くなかれ、 「7歳」って言ってきた。


そして、 「11歳からお客さん乗せてる」だと。


自分の足がクラッチに届けば、運転適齢期。


これがベドウィン基準。


そんなおれよりも断然長い運転歴を持つ彼に連れられ、いよいよ砂漠ど真ん中へ。



Go For  シルバーバック



人生初のモロ砂漠。


ここWadi Ramの砂漠は、イメージしていた白砂の見渡す限り砂漠とはちと違うテイスト。


砂の質は赤茶色で、岩山がゴリゴリあるこの辺はどちらかといえば"荒野の砂漠"といったニュアンス。



雲ひとつない空の青と、赤茶色の砂、アートのような岩肌。


ただただ、がむしゃらに見ていた。



Go For  シルバーバック



オアシスもない。


その代わりここでは音がない。


まったくの無音。



日常生活では必ずなにかしらの音に触れながら生活をしている。


それは人間の営みがある事、そこで生物が生きている事の証拠。


しかし、ここには何にも音がない。



無音にも無音という音が存在した。


「キーーーン」 とも 「シーーーン」とも違う無音の音。



不思議な体験だった。



    Go For  シルバーバック


突如現れた岩の橋。


もうスゲーとしかいえない。


こんなにも壮大だと、思いっきり自己主張したくなる。



近いのか遠いのかが、わからないほど空の色も青い。



世界にはこんなとこがあるのか‥‥



砂漠の力を全身に浴びて、気力が漲る。



Go For  シルバーバック



            例えるなら、  『火星』  『世紀末』



                 音のない世界



              不思議な場所だったなぁ




Go For  シルバーバック

         夢の中にいるような光景




Go For  シルバーバック


         夢の中で見るような光景



                       不思議な場所だった。