念願だったマナリ~レー間のヒマラヤ絶景移動日。
13日深夜2時に予約してたジープ(1000ルピー)に乗りこむ。
周辺の村へpick upを済ませ、暗闇の中ジープはヒマラヤ山脈方面へ向かう。
ネパールでは、季節の関係や体調の問題、モチベーションの問題でヒマラヤトレッキングをせずに
いた代わりに今回の移動が非常に楽しみだった。
タイを旅行していたとき、いろんな人とインドの話しをしていたら、
旅が常連であればある人ほどここの良さを強く語っていた。
実際それまでレーという町の事など知らなかったし、
カシミール地方に近づけばパキスタンとの停戦ラインが引かれた危険な区域という知識しかなかった。
はじめの頃は気にもしてなかったけど、
調べてく内に、ここ最近外国人に開かれた地域というところに俄然食いついた。
例えツーリスティックなとこだとしても、ヒマラヤの絶景を目にするチャンスもそうないし、
皆既日食以来、自然の強烈なインパクトを求めている感も大いにアリ。
深夜2時に出発したジープは、もちろん外の景色どころではないので速攻就寝。
早朝6時前、外が薄明るくなった様子を感じ、
うっすら目を覚ますとそこには暗闇にシルエットだけが映し出された山々‥
すでになんかデカイ!
永遠と続くガタガタのヘビの道を進んでいくと空は明るくなり山の表面の様子がよくわかるようになった。
切り立った山々は幾重にも重なり大きさだけじゃなく、その一つ一つが違った色形を持ち存在感が伝わる。
何より両脇に連なるヒマラヤの山間をジープが疾走していく。
気がつけば、空がすぐ近くにあり、雲が山の頂上を舐めるようにゆっくりと流れている。
さらに、久しぶり見た雪が山の頂上付近で雪化粧となっている。
どこか映画のワンシーンのような道をグングン登っていく。
途中には村のようなところが幾つかあり、そこで簡単な食事を取れるようになっている。
表記の仕方もどこか観光客相手用のようだった。
場所によっては突然モンゴルの"ゲル"のようなテントに山岳民族衣装を着たおばちゃんが出てくる
食堂があったりもする。
簡単な食事を済ませまた後に細いヘビの道をグングン登ったり、下ったり。。
道の狭さからか途中には転落して逆さまになっている車も転がっていた。
くわばらくわばら。。。
道を進むにつれ、池が出没したり、羊飼いの集団に遭遇したり、軍隊バスやトラックの往来があったりして、
山間の生活と旅行者と軍隊がごちゃ混ぜのルートになっている。
息を呑むような景色に見とれながらも、気がつけば、いつしかうたた寝をしていた。
目を覚ますと何やら標高5000m級のポイントに到達しているようだった。
過去に経験した最高の標高は、中国の黄龍で3500m。
そのときは少し息が切れたくらいでなんともなかった。
だが今回、目を覚ましたらなんか視界がおかしい。
やけに目に入るものすべて明るすぎる。
そして、その状態が悪化して目の前にありもしない滝が見えたり、石が飛んでくるような幻覚を見た。
高山病の症状に幻覚ってあんのかな?
とにかくあまりに目にきてしまってわけがわからず。
ほっといたら標高がいったん下がったおかげか、いつも通りに。
なんだったんだろ‥‥
高地‥シャレになんないっす。
気を取り直して、外の景色を見ていると、もうすんごいのなんのって。
山から飛び出ている岩の形もすでにアートだし、砂がとんでもないデカさに盛り上がった頂上に
色の違う巨大な岩がなぜか乗ってたり、今にも落ちてきそうな岩が間一髪支えられていたり、
いきなり深い谷が出来て、その下を川が流れていたり‥
<これはまさにアート>
途中で感動したのは、後に川になるだろう滝のはじまり部分を見れた事。
山の頂上に溜まった雪の隙間から、まさにリアルタイムで溶けて流れはじめた水が流れていた。
その麓に目をやると、そこから斜面を伝って徐々に大きくなっていく川になっていた。
かつて古代文明は主要な川の周辺で発達していったと言われている。
ここでも文明の起源が垣間見れたとともに、
生命はやっぱり自然に生かされているんだな~、なんて考えしまう。
特にジープから外の景色を見ていると、普段デカくどこか重厚な雰囲気を醸し出している大型トラックでさえ、
おもちゃのように見えてしまう。突然現れる村の家も人間も馬もすべてほんの小さな欠片のようにしか見えない。
例えば、人間から見て小さな虫の行列を見るように、
この山々から見ると人間と人間の作ったものは微小なものに見えてしまう。
だが、時として小さな虫の行列は家に穴を開け、本来の姿を削っていくこともある。
現地の人が岩を削っている様子や、雪山の表面が排気ガスで真っ黒になっているのを見ると、
小さな虫のそれと同じように人の営みは確実に山々の様相を侵食していっているように思える。
ただその営みによって、
今自分はこうして金を払ってジープに乗って最高の景色を見れているわけだし、旅も広い範囲で出来ている。
そう考えると、おれが言うとただのきれい事にしかならないかな。
とにかく今はリアルな現状として記憶。
さらに進んでいくと、ほんと山にもこんなにいろんな表情があるのかと驚かされる程のバリエーション。
オーストラリアの西海岸で見た、あまりに鮮やかな青と乾燥した岩肌を連想させる。
さらに色合いの変化の激しさに釘付けになる。
人の手が入り込んでいない、恐らく何千年もそのままのという状態が目の前に広がる。
山が高ければ高いほど力強さに圧倒され、谷が深ければ深いほど恐さ混じりの高揚感に襲われる。
その幅が大きければ大きいほど、対面する側の受けるインパクトが大きい。
ただインパクトを受けたのは山だけではない。
高度4000mを越すだだ広い乾いた場所で、いきなりサッカーしていたローカルの人達にも度肝抜かれた。
富士山の頂上より高いとこでサッカーの試合は、下界の人にとって命がけの遊び。
ギャグでも参加できません。
感動と具合悪さを交互に受け、バスは走る事19時間。
まともな休憩をたったの2回しか取ってない運転手の目が真っ赤に充血していた頃、
突然街灯の明かりが目の前に広がり、ついにLEHに到着。
最初の感想‥‥「こんな場所によく町を作ったもんだ‥‥」





