約19日間の滞在中ほぼ毎日、
一度ホテルから出ると浴びせられる注目の目線と陽気な挨拶。
視界に入るほぼすべての人から発信される自分への好奇心信号。
食堂に入ると、周辺全員がこちらを見てきて、一人が話しかけると数人集まってくる。
立ち止まり道端でマンゴーを買おうと交渉してると、周辺には十数人の人だかり。
乗るバスを迷っていると、「何か手伝いましょうか?」と声を掛けてくれる学生。
自分のキャパシティに納まる範囲の人たちと可能な限り挨拶を交わす日々。
そして、好奇心からか、親日の感情からか、理由のない親切からか、
彼らとのやり取りで攻撃的になることはなかった。
毎日聞かれる質問。
「国はどこ?」と聞かれ「JAPAN」と答えただけで、全員がこんなにも好意的なリアクションをしてくれる。
まだまだ世界はわからないけど、この先これ程好意的な親日の国があるように思えない。
バングラでは今まで旅で気をつけていた常識が逆転してしまった。
まず困って親切を受けた後、お金の話になったことがない。
ある日暗くなってホテルの方向がわからなくなった時、一緒に30分くらい歩いて送り届けくれた事も。
困ったときに現地人に従っておかしな事にまずならない。
リキシャと値段交渉してると、どこからか人が来て、代わりに値段交渉してくれてる。
しかも格安現地価格。
そして、この国で初めてチップを渡す心の余裕を身につけられた。
なにより、今まで一番怪しいと思っていた事。
それは日本語が話せるやつは怪しい奴。
しかしここでは、日本語が話せる奴は、最高にいい奴だった。
逆に怪しい奴は一目でわかるほど、親切な人ばかりだった。
人口密度世界一のこの国では一度外に出るとプライバシーはない。
もし、人との絡みから旅の楽しみを見いだせる人であれば、これ程刺激的な国はなかなかないと思う。
国籍の違う人間同士が警戒心を取り払い、お互いの何かを知ろうという姿勢。
奇跡的に交錯した接点を大切にしようという感覚。
そして、相手を喜ばせたいという感情。
溢れんばかりの人間と、水没等の自然の脅威、アジアで最も貧しいと言われている生活環境。
彼らを取り巻く環境は厳しいが、それを跳ね返す程の強い肉体持つ男達とやわらかな人間性が備わっていた。
与えてもらったことばかり。
ある日、昔日本に住んでいて、
日本語を話せるバングラのおじさんにチャイをご馳走になりながら話しをしていた。
日本にいた頃、日本人に良くしてもらった等、日本の話しをして帰ろうとしたとき、
名刺を俺に渡しながら、最後にこんな事をいってくれた。
「日本人を助けたいんだよ!!」
「何かしてあげたいんだよ!!」
「だから、困ったことあったら絶対連絡してよ!!」
異国の地で心からこんなこと言ってくれる事なんて、この先あるのか‥‥
日本に帰ったら今度はこっちの番だな。
