ラオスにビザなしで滞在できるのが今日で最終日。


不思議な町ムアンシンを去らねば。


不思議な魅力がある町だけあって、そこに来る人も不思議な人達だった。



ある人は、
58歳でまだ現役バリバリ世界を旅行してて、これから中国へ行くと話すと、
どこどこへ行くにはいくらで何番のバスに乗ればいいかまで、頭の中に旅の情報が事細かく入ってるツワモノ。
間接的に深夜特急でお馴染みの沢木耕太郎氏や旅行情報誌の作者と知り合いらしく、

ぶっ飛んだエピソードが本にのってるほど。
具体的な宿の名前と値段までバンバン出てくる達人。

1$がまだ250~300円の時代から旅をはじめて、盗難にあった最高額が50万。
インド入国回数15回ってのもすごい。



ある人は、
一人ヨットで世界を旅してて、
カツオやシーラーを釣り上げちゃうらしい。
オーストラリア拠点で今マレーシアに船を停泊させてて、いつ戻るか聞いたら、
「そろそろ風が変わるからオーストラリア戻るよ」だってさ。

言い方含め、かっこよすぎ。



出会いを含め、まだまだ発見が期待できそうな国ラオス。


たった15日間の滞在だったけども、ラオスはやはり魅力的ですべてが新鮮な国だった。


来る前の情報だと、「ラオスは何にも無くてまったりできる良いところ」というセリフを良く聞いたけども、
実際訪れると、新しいこと・新鮮な事だらけ。


ここでの"新しい"というのは、日本にはないものが詰まってると言う意味。
自分の生まれ育った世界とかけ離れた世界だったという事。


東南アジア6ヶ国(ミャンマーは抜かして)旅してみて、その中でもラオスは特殊だった。
というのも、その他5ヶ国からは強烈に『目指せ先進国』という風潮と流れを感じた。


ここでいう先進国とは、ビルやオフィスが立ち並び、人件費を割く為の機械と便利に囲まれ、
西欧をはじめとする世界のトレンドが溢れる様子。


少なくとも、先進国と言われる日本と同じ風景を目指しているように思えた。


ラオスにおける国の方針や経済的な問題の事はよくわからないけども、

ここでは、正直そんなニオイがまったくしなかった。



放送されるテレビはタイのテレビ
移動はバスかボートで鉄道・電車はなし
多くの女性は民族衣装のスカート
メシのバリエーションの少なさ
自国ビールBeerlaoのみ



特徴を挙げていくと、ただただ『貧しいから』と感じてしまうかもしれないけど、
ここには、もともとあったラオスとしてのオリジナリティがまだ根強く生きているように思える。


『変わらない事』が逆に外から入ってきた人々に対して新鮮さを感じさせる。

そして、カンボジアの時のように人々は自分たちの事を貧しいとは言わない。
意外に物乞いも見ない。


他国と比較せず、いつも通り過ぎていく平穏な毎日に、ただ身をゆだねているようにさえ思えてくる。


焦り・劣等感・強迫観念、そういった類の感情がない分、

人に笑いかける心のスペースが用意されているのかもしれない。


ラオスを発展途上国で貧しい国と感じる人はいるだろう。

確かに"有形"なもの、つまり物質的な目に見えるものに関しては、先進国よりは質・量ともに劣っている。

だが、"無形"なもの、つまり人の感情や人間関係はどうだろう。


便利や娯楽、物質的なものが少ない分、
人が寄り添い生きていき、その結果人間の持つ感情が豊かに耕されてると感じる。



よく耕された畑(心)からは、力強く栄養のある作物が育つ。


貧しくモノが少ない分、常にその畑は"多くの人の手"によって日々注意深く手入れされる。


すると畑(心)の異変に誰かがすぐ気がつき、また豊かな畑を維持できる。



感じたことは、何も新しくはないベーシックな事。


だけど、目まぐるしい変化の中、いつしかこぼしてしまっているもの。


ソフト面においてはラオスは"先進国"だろうね。




東南アジア最後の訪問国ラオスは刺激的な国だった