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あだ吉のきものがたり

大井海岸芸者 あだ吉の着物まわりと日常のあれこれ

談志師匠がお亡くなりになられたことを「転居された」と表現している文章を目にしまして、なるほど、と思いました。師匠に相応しい言い回し。
うちも先代の女将のときは「偲ぶ会」ではなく「引き祝い」と致しました。
引き祝いとは芸者がを廃業するのを披露する祝いの事。賑やかに、華やかにが好きだった先代女将に湿っぽいのは似合わないということでそのようにさせて頂いたのでした。
気に入っているという訳でもないのに、良く締める帯というのがあります。
私の場合、気に入っている帯というのは、個性がはっきりしていて、合わせる着物を選ぶ帯になってしまい、着物を選ばずたいていの着物に合わせられる重宝な帯とは違うものになってしまします。
そんなことで良く締めている帯と気に入りの帯は別のもの。良く締める帯は当然、傷みも激しくなりますが、帯は締め捨てと申します。帯は着物のように染め変えや仕立て直しがきかないから、大切にしなさいということですね。
重宝に良く締めている膨れ織りに漆箔の帯は帯の端の漆が摺れて落ちてきていて、帯地の張りも無くなってきています。漆箔を引き直す事は出来ないでしょうし、この帯とはそろそろお別れしなくてはいけない時期なのかしら?と思うと少し寂しい気がします。
をどりがあって、滞っていた着物の入れ替え。
この時期しか着られない小紋は持っていないと思い込んでいたけれど、
簞笥を開けてみたら万寿菊とすすきのかかれた小紋、むじな菊の八掛のついた縞が出てきました。
去年の秋に良く着ていたはずなのに、全く思い出せなかった。
桔梗を刺繍した帯揚げもあったかなと思い出す。