師走がひたひたと歩みを進めているというのに、ブログはいつまでも晩秋のまま時を止めたようになっています。

いかんですなぁ・・・。
ということで、ピリッと身も縮まりそうな朝に合ったものを探していて、目に留まったのがブラームスのピアノ協奏曲1番です。
成熟したブラームスもいいですが、若い頃のムラっ気たっぷりの曲も聴いていて気持ちいいものです。特に、運命を翻弄しそうな出だしは交響曲1番に通じるものを感じます。
とはいえ、ピアノが主役ゆえに、ピアニストが深く掘り下げようとすればするほど、オケも上品になってしまうパターンが多いように思えます。もっとも、これはこれで傾聴するに値するのですが、最近関心したものは、先日来日したポリーニとティーレマン指揮ドレスデン国立管弦楽団の2011年の演奏です。
NHKでは今年の前半に放送されたように記憶します。

今や初老がかったポリーニは、よくあるように、ゆったりと老練な曲を聞かせてくれるのだろうとタカをくくっていたのですが、良い意味で私の予想は裏切られました。
冒頭から波濤のような勢いで、小柄なポリーニに対してオケは容赦なく襲いかからんばかりの演奏です。片やポリーニはというと、あくまでも平静を保ちつつも、その眼は、内面に溢れんばかりの闘争心を感じさせる鋭いもので、気がつけば、ヘミングウェイの「老人と海」の主人公を重ね合わせている自分がいました。
そして、小柄なポリーニの指から、オケに負けない大きな音が弾き出るのを聴く頃になると、氏の自信あふれる態度が単なる名声に頼ったものでないことも頷けたのです。
結果、ドレスデンとポリーニの白熱したやり取りは、この曲を緊張感あふれる峻厳なレベルにまで高めることに成功しています。
こうした演奏を聴くことを出来るのはライブならではでありますが、反対に、オケの向こうを張った大きな音を出すことのできるピアニストというのも、そうそう多くはないことを思うにつけ、ポリーニの映像記録として、素晴らしい放送であったと感じ入っています。

そういえば、ポリーニの先日の来日公演の映像も明日あたり放送されるようで、楽しみにしています。