先日、タカーチ・カルテットによる後期四重奏曲集を買いました。
一聴してまずは緻密さと求心力の高さに驚きました。
それでいて、この手の演奏にありがちな、峻厳ではあるけれど線の細さが今ひとつ、
といったことも一切なく、
デュナーミクを活かして聴覚効果を最大限に狙った変則的な演奏にもかかわらず、
聞き手をぐいぐい引っ張る麻薬的な魅力を秘めている、とでも言いましょうか...
ウェットな響きながら、構成によってここまで刺激的に聞かせる手腕は
見事としか言いようがなく、
後にも先にも、こんな演奏は二度と出てこないのではないでしょうか。

然しながら、個人的には永く聴き続ける事にはならないだろう、
という予感がします。
すでに、擦り傷に直接触れるようなヒリヒリとした鋭利な感覚を欠いた
14番の第一楽章は失望だけを私の胸に残しました。

では13番は、と聞かれれば、
第5楽章のカヴァティーナを重視する方や、
第6楽章に大フーガを持って来ることに抵抗のある方にはお勧めできません。

反対に、カヴァティーナから大フーガへと続けて聴きたい方にとっては、
一つの有力な選択肢になるような気がします。
それくらい見事な出来栄えなのです。

私、私はそれでもラサールを採りますけど

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