この曲に関しては、ブダペスト四重奏団の演奏が好みですが、決して甘めの演奏ではありませんので、はっきり言って、初めて聴いた時は、その良さは分かりませんでした。

然しながら、時間をかけてじっくりと向き合えば、
朝靄の中から、碧碧とした稜線が薄っすらと現れるかのごとく、
突如として一音一音が妙に生々しく聴こえ出し、
演奏者が隅々に至るまで気を配いながら磨き上げている様が手にとるように分かってくる瞬間があるから不思議です。

そして、ここに至ってようやくと楽曲が本来持っている素晴らしさと、
ブダペスト四重奏団が今日まで支持され続けていることに納得がいくのです。


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