この話はドラマ・マジすか学園と、この勝手に小説の「その壱~百ノ八拾伍」を読んでない方には多分わからないので、ドラマと過去の日記をチェックしてから読んでみてください(・∀・)/






それでは、大島優子2学年編の番外編

「修学旅行編」

その32のスタートです(`・ω・´)ゞ







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峯岸はバイクを走らせ、大きな道路に出た。道ばたで停める。
「とりあえず、ここならトラックとか通るかしら」
しばらく待った。一台も車が通らない。
次第に焦り始める。
「ちょっと、さっさとバスでもトラックでもジープでも来なさいよっ」
誰もいない道路で叫ぶ。すると遠くから光が近づいて来た。
「あれは…大型トラックっ」
確認すると峯岸は道路の真ん中に立ち、両手を広げた。トラックは近づくに連れて速度を落とした。峯岸から少し離れて停車する。すぐに峯岸は駆け寄った。
「すみませんっ」
ドアを叩く。すると高い窓が空けられ、一人の女性が顔を出した。額にはねじれたタオルが巻かれている。
「どうした、嬢ちゃん」
威勢のいい口調で言う。
「あの、少しでいいのでトラック貸してもらえませんか?お金は後でいくらでもお支払いしますから」
必死に峯岸は訴える。
「別に金はいらねえけどよ、何があったんだい?」
「その、友達を助けに行かなくちゃいけないんです。それで、沢山の仲間を連れて行くのにトラックが必要なんです。お願いします」
峯岸が頭を下げる。
「喧嘩か?」
「え…まぁ、はい」
峯岸が申し訳無さそうに言う。すると女性の表情が変わった。ニヤリと笑っている。
「よっしゃ、乗りな」
威勢よく言う。
「いいんですかっ?」
「おう、早く助手席に来い」
「ありがとうございますっ」
峯岸はすぐに助手席側に回り、ドアを開くと乗り込んだ。トラックの内装はかなり派手だった。そしてその女性の服装はどう見ても元ヤンだった。
「それで、どこに仲間がいんだい?」
「あの、この近くの廃校です。それより、本当にいいんですか?」
「あぁ。なんつーか、この前まで東京で働いてたんだけどよ、仕事中に喧嘩しちまって沖縄に飛ばされたんだわ。それでムカついてっからよ、いい気晴らしだ」
「…そ、そうですか」
峯岸は少し心配になった。
「さっさとこの会社辞めて違うとこ探そうと思ってよ。まぁ後は渡辺運送ぐらいしかねえな」
「はぁ」
「まぁいいや、じゃあ案内しろ」
「は、はいっ」
そしてトラックが急発進した。すると窓の上の収納ポケットから色々と落ちて来た。
「おっと、悪い悪い。拾ってくれ」
トラックを走らせながら女性が言う。峯岸は足元に落ちた物を拾い集めた。その中に免許証があった。名前を見る。
「前田…幸子さん?」
「おう、そうそう。よろしくな。嬢ちゃんの名前は?」
「あ、すみません。名乗り遅れました、峯岸みなみっていいます。よろしくお願いします」
峯岸がそう言うと前田幸子は少し珍しそうな顔をした。
「あの、どうしました?」
「あぁ、なんか私の娘のダチと同じ名前だからよ。少しビックリした。ソイツもみなみっつーんだ。なんか運命的だな、はっはは」
前田幸子が楽しそうに笑う。
「そうですか」
峯岸は興味無さそうに言うと落ちた物を再び拾い始めた。その中に写真があった。家族写真のようだった。前田幸子以外に男性と娘らしき人物が笑顔で写っていた。
「それが私の旦那と娘だ。いい男と可愛い娘だろ」
自慢げに前田幸子が言う。
「えぇ、はい」
峯岸はやっぱり興味無さそうに相づちをした。
「娘がまたヤンチャでよ。毎日喧嘩ばっかしてるみたいなんだよな。まぁ、喧嘩でしか学べねえもんがあるからいいけどよ」
「そうですね。今正に、私は学んでる最中です」
ため息まじりで峯岸が言うと前田幸子は声を上げて笑った。
「それにしても、嬢ちゃんは不良に見えねえけど、族かい?」
「いえ、なんというか。旅行で沖縄に来たんですけど、地元の族の喧嘩に巻き込まれちゃったんです。それで仲間を助けに」
「なるほど、旅行か。まぁ、よくあることだけど。そうゆうのも楽しいよな」
「いや、全然楽しく無いですよ。ついこないだ大きな戦いが終わったばっかりだってのに」
「そうか。まぁ、そのうち喧嘩できなくなる。そんな風に暴れられんのは今のうちだけだ。だから、後になって後悔しないように毎日頑張るこったな」
「姉も、似た様なことを言ってました」
「ははっ。喧嘩でしか学べねえ大事な事を知った奴は、大抵似た様なことを言うもんさ。嬢ちゃんの姉も強かったんだな」
「そうですね、強かったです。いえ、今でも強い。だから毎日、必死に姉を超えようと頑張ってるんですけどね。中々難しいです」
峯岸はいつの間にか自分が饒舌になってることに気づいた。横の前田幸子をチラリと見る。不思議な存在感を持った人だと思った。
「そのうち気づくさ」
前田幸子は前を向きながら言う。
「何にですか?」
「他人と比べる必要なんて無いってことにさ」
その言葉に峯岸はピクリと反応した。言って欲しかった言葉をくれた気がした。
「そう…ですよね」
峯岸は拳を握りしめる。そして力を抜いた。
「私は絶対、生徒会長になる」
決意を込めて言う。すると前田幸子は大声で笑った。峯岸は眉間に皺を寄せた。
「ちょっと、笑わないでくださいよ」
「あははは、いやいや、悪い悪い。あっはははは。なんか、知り合いを思い出しちまった」
「知り合い?」
「あぁ、アイツは校長先生になる、って言ってた」
楽しそうに言う。峯岸も頬を緩めた。
「そして本当になりやがった。たいしたもんだ。まぁ、死んでも面と向かって賛辞の言葉なんて言わねえけどな」
「仲悪いんですか?」
「あぁ、滅茶苦茶悪い。だが、嫌いじゃない」
「え?」
「嬢ちゃんも、ライバルは大切にしな」
微笑みながら言う前田幸子の横顔を峯岸は見つめた。
「ライバルか。そんな存在いたことないです、私は強すぎるんで」
自信満々でそうつぶやくと、手に持っていた写真を見つめた。前田幸子の娘の笑顔に何故か眼を奪われた。
「いつか…見つかるといいな」
それは無意識のうちに出た言葉だった。
そして、峯岸を乗せたトラックは、仲間の待つ廃校へと加速した。













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続く...


「次回予告」

峯岸はトラックで廃校へと向かう

そして優子は横山に作戦を伝える




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※この小説はまるっと全部フィクションです(´・ω・`)