この話はドラマ・マジすか学園と、この勝手に小説の「その壱~百ノ八拾弐」を読んでない方には多分わからないので、ドラマと過去の日記をチェックしてから読んでみてください(・∀・)/






それでは、大島優子2学年編の番外編

「修学旅行編」

その29のスタートです(`・ω・´)ゞ







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折井は痛む拳にチラリと眼をやった。ドラッグストアで玲奈との戦いの時にガラスで切ってしまった傷から血が出ている。
『よりにもよって右手とはな、ついてねえ』
心の中で舌打ちをするが決して表情には出さなかった。隣りには玲奈がいる。気づかれたくなかった。いや、足手まといになりたくなかった。痛みを堪え折井は前に進み続けていた。
そんな折井の心の内を、玲奈はわかっていた。だから決して傍を離れなかった。さりげなく折井の右側に立ち、傷を負った右手をカバーしている。当然折井も玲奈のその行動には気づいていた。だが自分を情けないとは思っていない。欠けている部分を補い合うのが仲間という存在なのだということを折井はマジ女時代に学んでいた。
こうして、折井の怪我を玲奈が庇い、その事で玲奈は冷静さを失わず、スイッチが入ることはなかった。
「それにしても数が多すぎる。他の連中の状況がわかんねえな」
折井は神楽の兵隊たちを薙ぎ倒しながらも、仲間の姿を探していた。
麻衣には一度擦れ違うように出会った。言葉を交わさなくても考えは伝わっている。眼が合った瞬間にそう思った。今は川崎が麻衣の隣りで一緒に戦っていた。
そしてサドの姿は遠くに見えた。サドは、独りだった。
『サドは独りか。学ランが校舎に入っちまったから、羅喉と神楽に分かれて組むには人数が足りねえ』
折井はこの状況で独りで戦うのは危険だと思っていた。
今、羅喉側では折井と玲奈が組み、神楽側では麻衣と川崎が組んでいる。折井の考えでは板野がサドと組み、学ランが柏木と組むはずだった。しかし、優子を守るために学ランが校舎に入り、板野の姿を折井はまだ見ていなかった。学ランと板野が校舎で組んでいることは折井は知らなかった。
『おそらく板野は川崎と来たはずだ。それが見えないってことは、校舎か?あと、柏木もまだ見てねえし』
考えを巡らせていると鉄パイプが飛んで来た。それを玲奈が掴んで止める。そこへ折井が蹴りを放った。敵が吹き飛ぶ。
「おい、玲奈」
折井が額の汗を拭いながら声をかける。
「何?」
「お前、柏木見たか?」
「…見てない」
「そうか」
まだ校庭では数台のバイクが砂埃を上げて走り回っている。そのせいで視界は悪い。
「大丈夫」
玲奈が無表情で言った。
「何がだ?」
「柏木は…大丈夫」
そうつぶやくと玲奈は前に進んで行く。折井はため息をついた。
「やれやれ、本当に素直で可愛くなっちまったな」
少し微笑むと、折井も後に続いた。


背中に鉄パイプが打ち込まれる。サドは渇いたような嗚咽を洩らす。しかしそれでもその相手に向き直り、脚を飛ばした。人形のように吹き飛ぶ敵。サドは膝に手をついた。
その時、前方から一台のバイクが突っ込んで来た。後部座席に乗っている奴が鉄パイプを振り回していた。
「くそっ」
避けようとするサド。しかし脚が動かなかった。倒れている神楽の兵隊が脚を掴んでいた。
「…っ」
前。バイクは迫っていた。
「ここまでか」
サドが諦めた時、後ろから顔の横を擦り抜けて何かが飛んで行った。ヘルメットだった。それが運転していた兵隊の顔面を直撃する。バイクはよろめきながら方向を逸らし、サドの横で横転した。
「武器もバイクも有りとは、誇りを感じられない連中だな。全く、くだらない」
横転したバイクが巻き上げた砂埃の中で、サドの後ろから声が聞こえた。その声は、サドが待ち続けていた声だった。振り向く。スカジャンを纏った柏木が立っていた。すると柏木はサドの脚を掴んでいた兵隊の腕を踏みつける。呻き声を上げて兵隊は手を離した。
「汚い手で"サドさん"に触るんじゃねえ、雑魚が」
柏木は"サドさん"と呼んだ。眼が合う。
「おせえよ、柏木」
疲れた様子でサドが言う。
「すいません。落とし物を探してました」
「そうか。それで、見つかったのか?」
「はい。このスカジャンに残ってました」
そう言う柏木の肩をサドはポンと叩いた。そして歩き出す。
「行くぞ。お前が取り戻した『誇り』と共に」
その言葉を聴くと、柏木は微笑みながらサドの後ろに続いた。その胸元には、ロザリオが揺れていた。










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続く...


「次回予告」

折井と玲奈

麻衣と川崎

サドと柏木

板野と学ラン


二人一組で戦いは進む


その頃峯岸は

老人から真実を聴いていた



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※この小説はまるっと全部フィクションです(´・ω・`)