『水戸黄門』
― 壱 -
ナレーション
「諸国漫遊中のご老公様一行は花のお江戸へやってまいりました。江戸のとある茶屋にて、ご老公一行は旅の疲れを癒していたところ…やくざ者に追われ助けを求める娘の声が聞こえます。さてさて、どうなることでしょう。」
娘さん
「だれかー。助けてください!!」
(やくざ者におわれ娘さんが壇上にあがってくる)
助さん
「何事でしょうか?」
格さん
「ご隠居、あの娘誰かに追われているようですよ」
黄門様
「助さん、格さんあの娘さんを助けておあげなさい。お銀、あの娘さんをこちらに」
助&格&お銀
「っは」
お銀
「娘さん、こちらに」
(娘をかくまってすぐにやくざ者の登場)
やくざ者
「おいおい、爺さん方俺はその娘にちーっとばかし用があるんだ。どいてはくれないか?」
助さん
「何事かわかりませんが、あなたのような人にあの娘さんを渡すわけにはいきません」
格さん
「さぁ、帰った帰った」
やくざ者
「こっちが下手に出れば調子に乗りやがって!!くそう!!」
(やくざ者が助&格におそいかかる。助&格ひらりとかわしやくざ者をこらしめる。)
やくざ者
「畜生!おぼえていやがれ!!」
(壇上から去っていく)
黄門様
「娘さん大丈夫かね」
娘さん
「ご隠居様、皆さんありがとうございました。」
お銀
「どうしてあんなやくざ者に追われていたんだい?」
娘さん
「…このようなところでは話せないので、うちにきてもらってもよろしいですか?」
(皆 うなずく)
― 弐 ―
(娘さんの家にて)
おとっつぁん
「今日は娘を助けていただいて、ありがとうございます」
黄門様
「いえいえ、困ったときはお互い様ですよ」
おとっつぁん
「…わしにとってこいつは亡くした妻の忘れ形見、大切な娘なんだ。感謝してもしてきれねぇ。わしがこんな病さえならなければ…あんなやくざ者なんぞ…」
娘さん
「おとっつぁん……」
格さん
「何かわけがありそうですね」
黄門様
「この爺でよければ話をきかせてはもらえないだろうか」
娘さん
「…実は…」
ナレーション
「この江戸のとある越後屋はお金に困っている貧しい民にお金を貸し、高い利子をつけお金をわざと返せないようにして、借金のかたに無理難題を要求してくるという悪行を重ねていました。越後屋は娘さんの父の病を治したいという優しい心につけこみ、お金を渡し、一家は多額の借金を抱えることになったのです。そして、娘さんは越後屋の手下に借金の返済をもとめられ嫌がらせを受けていたというではありませんか、あまりにもひどい仕打ちにご老公一行は心をいためておりました」
― 参 ―
(扉を乱暴にたたく音が聞こえる)
助さん
「誰か来たみたいですね」
格さん
「いやな予感しかしないな…」
娘さん
「はーい。どなたですか?」
お銀
「娘さん!気を付けて!」
(娘が扉を開けた途端やくざ者が娘を盾に取る。越後屋の登場)
越後屋
「うちの手下が世話になったようで……○○さん、今日は私直々に借金をとりにきましたよ。なかなかお宅さんからお金が返ってこなくてね…私の店もほとほと困り果てているんですよ」
おとっつあん
「それはそっちが無理矢理貸したもんだろう!!あまりにも理不尽じゃないか!!ゲホゲホ」
(倒れこむ父)
娘さん
「おとっつぁん!!」
越後屋
「今ここで借金を返せないというなら、あの娘もらっていきますぞ。おい、娘をつれていけ」
やくざ者
「はい。おいこっちにきな!」
娘さん
「きゃあああ」
黄門様
「待ちなさい!」
越後屋
「なんだこの爺は!!」
黄門様
「わしはは越後の縮緬問屋の隠居、光衛門と申します。…越後屋さん、それはちょっとばかりひどいのではないですか?」
越後屋
「部外者はだまっておれ!!おい、いくぞ!!」
やくざ者
「へい。」
娘さん
「おとつぁあああん!!」
黄門様
「聞く耳持たずときましたか…しょうがありませんな…助さん格さん!!懲らしめてやりなさい!!」
助&格
「は!!」
―しばらく斬り合う BGM―
黄門様
「もうそろそろいいでしょう。」
助さん
「ええい、皆の者、静まれ、静まれーい!!」
格さん
「静まれーい。この紋所が目に入らぬかーーっ!!」
皆
「お、おおーーっ。」
助さん
「こちらにおわす方をどなたと心得る。おそれ多くも先の副将軍、水戸光圀公にあらせられるぞ。」
皆
「おお、御老公さまだ。御老公様!(口々に叫ぶ)」
格さん
「一同のもの御老公の御前であるぞ。頭が高い、控えい控えい控えおろーっ。(一同、「へへーっ」とひれ伏す。」






