本当に偽ユタに騙された、または騙されそうになったという相談が多いので、再度偽ユタ(ユタマンチャー)の見分け方をご紹介します。

 

・判示料金が高い

 5000円が上限です(ただし、浄霊や口寄せ、呪術は別料金です。これはユタによります。)

 島出身で衣装や道具が揃っているからと言って本物とは限りません。神様に見限られた「ユタ崩れ」もいます

 

・島に先祖がいないにもかかわらずユタを名乗っている

 

・祭壇がない(祭壇があっても1段しかない場合、修行中のユタか、能力のないテンゴノカミです)

 

・「ユタの家系」と自称しているが、7年修行をやっていない

 

・電話占い会社に登録している

このような営利活動に関わることは神様が許しません

 

・島からユタ崩れを内地に呼び寄せて鑑定会を催し、判示料金を通常の数倍要求する

これは最近多い相談です。そもそもユタは神棚の前でしか判示はできませんし、仮に出張で判示をしたとしても出張料は開催者が負担しますので、相談者に通常の何倍もの額を提示することはありません。ユタ崩れと悪徳業者がグルになっています。

 

正しい知識をあれば、騙されることは回避できます。

 

呪術の依頼は全て手紙の郵送でお願いしています。

 

それは、手紙には想いがこもるためです。

 

毎朝神様に一通ずつ繋げていますと、毎日その手紙の状態が違うことが分かります。

依頼主の状態がその手紙に移っているためです。

 

人の感情は揺れ動くもので、穏やかな日もあれば、荒れる日もあります。

それが手紙に移るわけです。

 

祈りを神様に届けると同時に、依頼主の感情のケアもする。

 

そのために手紙での郵送をお願いしております。

神の道に入ってから何度も拝みに登った霊峰・湯湾岳。

 

 
 

 

 

 

参拝する度に、神様の存在を鋭く感じることができます。

 

鎮座する場所を奪われ、奄美から神々が次々に避難する中で、湯湾岳が奄美の最後の神域です。

しかし、こちらもいつまで神様がいらっしゃるかはわかりません。

 

今後の人間次第ですね。

ユタ研究において第一人者であった故鹿児島国際大学名誉教授山下欣一先生の著書に、成巫過程を項目別に記録した内容があります。

 
それに倣い、私も記録しようと思います。記録にあるようにユタのほとんどは女性です。
 

 
性別    男
巫病の発現 17歳
巫病期間  16年 親世代が、私の一族はユタ家系であることを失念していたため、特定に時間がかかりました
親神    ×  複数のユタに指導していただきました
継承    母方の大伯父
馬     ×
遺品    ×   大伯父が処分したそうです
ショージ  〇 (ショージはユタの必修。川の上流で水の神様を祀る儀式)
神名    不明 天ザシのカミとホゾンのカミの定義が曖昧なので不明とします
口寄せ   ×
卜占    ×  口寄せユタは能力の不足を補うために卜占を行っていました。
職業的   〇
 
このように丁寧な聞き取りを積み上げてくださった山下先生には感謝しかありません。
山下先生がいらっしゃらなければ、ユタの伝承は非体系的に伝わり、正しいことは何なのかを探る手がかりすら失ってしまったでしょう。
お亡くなりになった後も、その記録は永遠に残ります。
 
これが民俗学の、学問の素晴らしいところだと思います。

既に知れ渡っている言葉ですが、「医者半分、ユタ半分」について考えてみようと思います。

 

奄美沖縄のユタの考えではなく、あくまで私の個人的な考えです。

 

・医学では治せない症状を、ユタが治す

・医師とユタが協働して症状を治す

 

このように2つのパターンがあると考えています。

 

 

・相談で「神様のようなものが視える。何か声が聞こえる」という場合

 

まずは精神科・心療内科を受診することを勧めます。

というのも神様は滅多に姿を現しませんし、声もかけてくださりません。

統合失調症もしくは他の精神疾患の疑いがあるので、まずは病院で診てもらって、それでも診断がつかない場合にもう一度来ていただくようにしています。

 

 

・癌、不妊、その他治療困難な病気の場合

 

病院にかかっていただくと共に、私の吸収も受けていただいてます。最大7回かかります。

 

医学を否定するのではなく、医師と共に治療にあたる。

これを「医者半分、ユタ半分」と考えます。

私の専門能力が呪術であることを知ると、引いてしまう方々がいます。

他のユタから説教されたりもします。

 

しかしそれは、ユタの呪術について知らないためだと思います。

 

そもそもユタの呪術は、神様の力をお借りしてより良い状況を作り出す技です。

 

その呪術の内容は2つに大別され、割合は以下になると思います。

①好ましい目的のために祈る(白魔術)    99%

②他人に危害を与えるために祈る(黒魔術)   1%

 

このように、ほとんどは好ましい目的のために用いられます。

人を生き返らせること以外は通用します。

 

他人に危害を与える場合であっても、「その者を放置していると人々は苦しみ世が乱れる」と神様が判断した場合に祈りは通じます。単なる私怨は棄却されます。

しかし、「憎い相手に仇をなす」というように黒魔術的側面が歪めて捉えられ、ユタは弾圧を受けてきました。

 

その歴史を振り返ると、歴代の琉球王朝・明治大正政府に弾圧を受け呪術は一時消滅します。

※徴税対策としてユタを弾圧したという記録もあります。『琉球新報明治・大正版より』

 

そして現在私は神様からの指示を受け呪術に取り組んでいます。

 

苦しみに溢れるこの世が、もっとマシなものになることを願うばかりです。

相談を受けていますと、

「奄美沖縄にルーツを持たない内地出身の自称ユタに騙された」

というものが問題として挙げられます。

 

ではなぜこのような事態が引き起こされたのか?というと、その自称ユタの人間性の問題もありますが、「ユタの儀式や道具は島にルーツを持つ人間にしか伝えてはならない」という戒律が破られたことも一因としてあると思います。

 

その動機は、精神的に病んでいる方を救うためという面もありますが、単に金儲けのためという理由もあります。

 

結果、内地出身の方でも「自分はユタに認められた」という自覚を持った方が増えます。

実際に救われた方もいますのでここまではまだ良いのですが、その一方でユタという箔を付けて金儲けを始める者(ユタマンチャー=偽ユタ)が現れるという問題が生じました。

 

この問題は、ユタ自身が生じさせたと言っても良いと思います。中には「内地の人間に教えてはならない」という戒律を知らなかったというユタもいます。

 

そこで、被害者を増やさないためにまずユタ自身がすべきことは、「ユタが宗教学や民俗学を修め、その上でユタ自身の歴史を学ぶこと」だと思います。

 

ユタは「神の使い」であることを自覚し、品格のある言動をとらなければならないと考えます。

私が子神希望の方に教養を求める理由はこのためです。

 

子神の件については、また別に書こうと思います。

昨日も相談があったのですが、

 

「とあるユタ(自叙伝を出版している)に、『祭壇に神様を降ろすのに◯万円かかる』と言われました。この値段は妥当ですか?」

 

妥当ではありません。

そもそも正当なユタの伝統を継承しているのであれば、無料で行います。

(喜捨であれば受け取りますが、こちらから請求することはありません)

 

何より、そんな簡単に神様を降ろすことはできません。神様に選ばれ、巫病が始まり、悪くなれば死んでしまうという診断があって初めて神を降ろすことになります。

 

阿世知照信カミサマが亡くなった後、ユタマンチャー(偽ユタ)やユタ崩れ(神様に見限られたユタ)による「ユタ神ビジネス」に歯止めが効かなくなり、神様の世界が金儲けのために利用されていることに危惧を覚えます。

 

何とかしなければと思いますが、組合もないため規制することができません。

 

さて、どうしましょうか。

これもよくある相談なんですが、

 

「100g〇千円で浄め塩をユタから購入しましたが、相場はいくらなんでしょうか?」

 

相場も何も、浄め塩は無料でお渡ししています。

ユタによっては塩と焼酎は相談者が用意することもあります。


また浄め塩が本物かどうかも重要です。

 浄め塩の真贋を確かめるには塩以外に「あるモノ」が入っているのを確かめれれば良いです。

それをここでは明かすことはできませんが、とにかく塩だけの浄め塩は偽物ということです。

問い合わせを受ける際、以下のような内容がよくあります。

 

「ノロはユタより能力が高いと(ネットで)聞きました。ノロは、修行をして高位に昇ったユタがなるものなんですよね?」

 

違います。ユタとノロとは別の存在です。

簡単にまとめますと、

 

ノロ:琉球王府に任命された神官。世襲制。修行はない。能力はない。

ユタ:民間の呪術師。原則隔世遺伝もしくは一代限りの召命型。7年修行がある。能力はある者(少数)と無い者(大多数)に分かれる。

 

ユタは時の支配者により弾圧を受け、一時は姿を消すこともありましたが、その儀式や能力は現在でも受け継がれています。

 

ではノロはというと、琉球王府の祭政一致体制下では重要な役職でありましたが、島津による侵攻後ノロ制度は形骸化し、その後廃止されます。

 

現在ノロと名乗る方は、ノロの末裔ですね。任命時に王府から授与された道具を受け継いでいます。

(裏を返せば、道具を受け継いでいないノロは偽物である可能性が高いということです)

 

なぜこのような話をするのかというと、霊視をする自称ノロに騙されたという相談が私に来るからです。

皆さんも注意されてくださいね。