【純資産会計】
◎純資産は、株主に帰属する株主資本と、その要素としての評価・換算差額等及び株式引受権並びに新株予約権から構成。
◎株式引受権は、取締役の報酬等として株式を無償交付する取引のうち、事後交付型に該当する場合に報酬費用の相手勘定として計上。
◎評価・換算差額等について、純資産の部の株主資本以外の項目とした理由:
評価・換算差額等は、払込資本ではなく、かつ、未だ当期純利益に含められていないためである。
◎新株予約権について、従来、仮勘定として負債の部に計上することとされていた理由:
新株予約権は、将来、権利行使され払込資本となる可能性がある一方、失効して払込資本とはならない可能性もあり、権利行使の有無が確定するまでの間、その性格が確定しないためである。
◎新株予約権について、純資産の部に記載することとした理由:
新株予約権は、返済義務のある負債ではなく、負債の部に表示することは適当ではないためである。
◎自己株式は、取得原価を持って純資産の部の株主資本から控除する。
◎自己株式処分差益については、…(中略)…よって、それを資本剰余金として会計処理することが適切。
◎自己株式処分差益については、資本剰余金の区分の内訳項目である資本準備金とその他資本剰余金に計上することが
考えられる。会社法において、資本準備金は分配可能額から控除項目とされているのに対し、…自己株式処分差益はその他資本剰余金に計上することが適切であると考えた。
◎自己株式の資産説:
自己株式を取得したのみでは株式は失効しておらず、他の有価証券と同様に換金性のある会社財産と見られることを論拠とする。
◎自己株式の資本控除説:(日本)
自己株式の取得は株主との間の資本取引であり、会社所有者に対する会社財産の払戻しの性格を有することを論拠とする。
◎自己株式の表示について、取得原価で一括して株主資本全体の控除項目とする方法が採用されている理由:
自己株式の取得したのみでは発行済株式総数が減少するわけではなく、取得後の処分もありえる点に着目し、自己株式の保有は処分又は消却までの暫定的な状態であると考えられるためである。
◎自己株式処分差益を資本剰余金として会計処理することが適切であると考えられる理由:
自己株式の処分が新株の発行と同様の経済的実態を有する点を考慮すると、その処分差額も株主からの払込資本と同様の性格を有すると考えられるためである。
◎自己株式処分差損が発生した場合の会計処理については、以下の2つ方法
(1) 負の値となったその他資本剰余金を、その都度、その他利益剰余金(繰越利益剰余金)で補てんし、
その残額を確定する方法
(2) 負の値となったその他資本剰余金を、会計期間末において、その他利益剰余金(繰越利益剰余金)で補てんし、
その残額を確定する方法
◎上記、(2)の方法を採用した理由:
その他資本剰余金の額の増減が同一会計期間内に反復的に起こり得ること、(1)の方法を採用した場合、その他資本剰余金の額の増加と減少の発生の順番が異なる場合に結果が異なることになるためである。
以上、
ありがとうございます。
シルバー:)