被災地の方々の何かお力になりたいと、強く、強く思っております。
人間の心も体にも何かお助けできればと考えが止まない日々です。
少しばかりの微力な知識ではありますが、
私はアニマルアロマセラピストの資格をカナダで取得しておりますので、ペットたちのお力に少しでもなれればと思い、筆をとりました。

私の犬たちも東京におりますが、連日の余震や飼い主のただならぬ行動に敏感になってしまい、怯えております。

被災地でお手元にワンちゃんと一緒におられる方、また避難場所でゲージなどでワンちゃんを保護されている飼い主の方(避難所では人間と動物は別々におられると聞いております)、また今回の地震で敏感になっているワンちゃんがいらっしゃる方にアロマテラピーで少しでもワンちゃんの不安を和らげていただければと思います。

とはいえ、物資不足の中、アロマを用意できる状況下ではないこともわかっております。
もしもお手元にあれば、それらのアロマで結構です。
アロマを援助で差し上げたいのですが、規定により、ペットの様子を直接見ないままアロマを調合したものをお送りすることはできないので、お手元にいるペットの飼い主さんの意思の判断で初めて施せるものとなり限られた環境条件になってしまうのですが。
アロマテラピーは実際にワんちゃんの様子を直接触れて判断して適切なアロマで癒してあげなければいけないものです。アロマセラピーは心と体のバランスを正常に近づけるという概念のものですので、決して効果も病院から処方される薬とは違います。
また動物病院から処方薬を受けている動物にはアロマとの相性があわないものもございますので注意が必要です。てんかん、肝機能、腎機能疾患の無いワンチャンに自然療法としてアロマセラピーを施す事を前提とします。(疾患のあるワンちゃんには獣医さんの確認、診断が必要です)
*アロマテラピーは猫(アロマの精油の種類による)、鳥、小動物には不向きです

あまり現実的にお力になれない内容かもしれません。でももし少しでもできる環境、アロマをお持ちでいらっしゃいましたら幸いです。

アロマが無い時
もしアロマがないときには、まずは第一に優しくゆっくり撫でてあげることが大切です。
声をできるだけかけてあげ、安心させる言葉と柔らかく触って撫でるコミュニケーションこそがまず最初に効果的なペットたちの癒しになります。またワンちゃんの体温は私たちの平均体温よりもやや高めです。その体温とぬくもりだけで十分に双方に安らぎと癒しを共有しあうことができます。
ただし、空腹時、食事中、食後30分ー1時間の間、熱があるとき、妊娠中、けがや病気をわずらっている時は避けた方がよいです。本能として警戒心があるのが動物ですので。
犬の背中を優しく首の後ろから背中、腰まで撫でてあげて、少し慣れて来たら、緊張をほぐす、イライラを鎮める効果のある、犬の眉間のつぼを優しく鼻の上にある目間から眉間の短い間を軽く撫で上げてください。少しずつ落ちついてきてくれれば効果があります。

簡単なアロマセラピー
身近なもので、マグカップ、お椀など(セトモノが良いです。ビニール、プラスチック製は適しません)にやけどをしない程度の温度のお湯をいれて(こぼれないようにコップ半分強で)
そこに、アロマの精油を1滴たらし、お部屋の中のワンチャンの手の届かないところ、ゲージの外側で香りが届くところに置き、その香りだけでも十分です。

皮膚疾患の無いワンちゃんであればオイルマッサージをする方法もありますが、
まずは香りをワンちゃんが嫌がらないかを確認することが大事ですので、最初はお湯に精油を垂らす方法をお薦めします。


飼い主から離れて不安に感じている 不安症
マンダリン

ラベンダー 鎮痛、緊張をほぐすのに適しています。(ただし、飼い主が低血圧の方には不向きです。また妊娠中の動物、人にも適しません)



興奮が長く続いて、吠え続けてしまうワンチャン
スウィートマジョラム  交感神経が優位になり疲労が蓄積されているワンちゃんにはマジョラムなどの副交感神経に働きかけることによりリラックス効果をあげます。

ラベンダー(ただし、飼い主が低血圧の方には不向きです。また妊娠中の動物、人にも適しません)


精神的ショックを受けている元気のないワンチャンを元気づける
ゼラニウム 痛みを鎮める特性があり神経痛を和らげます。妊娠中には適しません。

ベルガモット 臆病なワンちゃんに適しています。消化管にも良い作用をします。感染症、炎症に有効的です。ネコちゃんには不向きです。

ティートリー 殺菌力を持つ精油で、免疫系を強化してくれます。

イランイラン 高い血圧を下げる効果、ストレスを軽減させる、正常よりも早い呼吸を治すのには有効ですが、やや作用の強い精油です。肌には敏感に作用しますので、怪我や皮膚疾患があるワンチャンには不向きです。また長期的には使用しないほうがいいので、連日ではなく時々のほうが有効です。

ローマンカモミール  ワンちゃんが受け入れやすい香りです。気持ちを穏やかにさせ痛みの軽減や白血球の生産を促進します。妊娠中には適しません。


興奮が強く、被災の地で知らない人が行き交う場所などで飛びついてしまったりする場合
ラベンダー (ただし、飼い主が低血圧の方には不向きです。また妊娠中の動物、人にも適しません)

クラリセージ  やや作用の強い精油です。体全体の防衛バランスを回復させますが、大量には使用しないでください。

ペパーミント  皮膚には強い作用をしてしまいます、注意してください。妊娠中にも不向きです。車酔いなどに効果がありますので、筋肉のしびれなどに効果的です。暑いときには体を冷やし、寒いときには体を温める作用もあります。

過去にトラウマになる経験があり、恐がりなワンちゃん
ティーツリー 
イランイラン

怪我をしたりしている場合
レモン 猫には不向きです。免疫を活性化させるので、感染症などには有効です。止血剤にもなります。

猫の場合は肝臓の代謝酵素が犬とはちがうので、適用できるアロマも少なく、
ストレスを感じやすい動物なので、香りをストレスに感じると免疫低下にもつながります。
慎重に様子を観察して、犬も猫も嫌がるそぶりがあった場合は使用をやめてください。

アロマセラピーはとても奥が深く、勉強を重ねて行かなければいけない分野の自然療法です。私はまだまだ未熟ですのでたくさんの適した方法がまだまだご紹介には至りませんが、少しでも有効に動物と人が安らぎや命のぬくもりをわかちあえる事に力になれればと思っております。

一日も早い復興と、物資の救援が隅々まで行き届くよう願い、微力ながら支援させていただきます。