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しらっきーのひとりごと
ちょっと時間経過的に
他の記事内容と前後しちゃうんだけど
記憶が薄れる前に書いておこうと思います。
『パ・ラパパンパン』
とにかくめちゃくちゃ面白い舞台でした。
野田秀樹の作品みたいな勢いのある舞台で
所々に出てくるコントのような笑い。
小説家役の松たか子さんと
担当編集者役の神木隆之介さんの掛け合いや
劇中劇？の人物達のボケ具合のテンポも良く
終始笑いながらの観劇でした。
ヒット作のない小説家の来栖てまりは
自分の才能に限界を感じている中
初ミステリー小説を書こうとする。
アガサ・クリスティも
読んだことの無いてまり。
ミステリーの書き方なんかわからないが
編集担当者の浅見鏡太郎と話し合ううちに
チャールズ・ディケンズの
「クリスマス・キャロル」を題材にして
書き始め
登場人物達がそれに合わせて動き出していく
「クリスマス・キャロル」といえば
守銭奴のスクルージが
クリスマスイブの夜に
過去、現在、未来の精霊と出会い
心を入れ替えていく話。
でも
このスクルージが殺されるという設定。
この設定は面白い！と思った。
金貸しの
血も涙もない嫌われ者のスクルージなら
恨んでいる人は多いし
殺されてもおかしくない人物だよなあ。
切り口を変えるだけで
心温まるヒューマンストーリーが
ミステリーになるとは
って感じ。
って感じ。１幕の終わりには犯人がわかるのだけど
その結論はあまりにも単純で
”うーん…
これじゃあ、この小説も売れないよね”
といった感が溢れてる。
いかにも
売れない小説家の書いたミステリーといった
ある意味、観ている側が
鼻で笑ってしまうような
結末を持ってきた１幕終わりの寸前で
作者のてまり自身が
「彼は犯人じゃない！」と
これまでの経過を覆す。
しかも
”てまりも毒を盛られたのか？！”
というような幕切れ。
起承転結の「転」に入ったところで
休憩に時間になるというのは
続きを期待させるし
何だか２時間ドラマの流れに似てるなぁ
って思いました。
そういえば
幕開きもドラマのオープニングのような
演出だったし
劇中でも懐かしの”火サス”の
CM前に流れるアイキャッチが使われてたし
まるでドラマ。
2時間ドラマのミステリー物って結構好きで
シリーズ物のように
お決まりのパターンがある物とか
よく見てたけど
どこか
そうしたドラマの匂いに似てるな
って気がしました。
１幕終わりが「なにぃ⁉️」って終わり方で
２幕がどうなるのかワクワクするのは
年明けに観た『スルース』みたい。
２幕ではてまりが物語の中に入っていて
１幕より
ちょっとシチュエーションが複雑だけど
毒物の入ったワインを飲んで
意識を失っているてまりが
うわ言で小説の続きを呟いている…
という設定だから
てまりの意識の中で物語が進行している
ということなんですよね。
相変わらずの笑いありで進んでいくものの
”なるほどー！そうなのか！”
っていう結果は
ちゃんとミステリーとして成立してたし
サラッと流れてた話が
重要な伏線になってたとわかって
感心してしまいました。
単純にミステリーの舞台としても楽しめるし
きちんと自分の作品と向き合うという
小説家としてのてまりの前進を見ていく物語
としても観れるし
二重の楽しみ方ができる作品のように
思いました。
劇中で松さんが歌う場面もあり
ミュージカルの要素も入ってるのか？
って思ったり
さらにカーテンコールでは
出演者の楽器演奏やダンスで盛り上がり
これでもか！というくらいの
エンタテインメント
だったり
だったりどうやらアドリブ部分もあったみたいで
（キャストの人も耐えられずに笑ってたんでね）
それがまたおかしくてお笑いのようだったり
…と、色んな要素が満載でした。
観客を楽しませるための舞台といっても
過言ではない！って感じです。
色々考えさせられる舞台もいいけど
こうした
エンタテインメント色いっぱいの舞台も
肩肘張らずに観れて好きだなあ
松さんの歌声は素敵で
ちょっと抜けた感じやボケ具合も絶妙。
それを突っ込む神木さんも
てまりに巻き込まれていく感が似合ってて
二人のコンビぶりによって
ストーリーを引っ張っているのが
舞台に勢いを与えているように思いました。
もう１回観たいなあと思う作品でした
『しらっきー＆ぺり子のひとりごと』
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