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クローバークローバークローバー


昨日「ラブ・レターズ」を
観劇してまいりました。

観劇といっても、
この作品は朗読劇なので
動きも舞台セットもありません。
一組の男女が
舞台中央の椅子に座り
やり取りした手紙の内容を読み合うだけ。

だからこそ
読み手の方達が
どれだけ言葉だけで二人の心情や
状況を表現できるかがポイントで
読み手側も難しいだろうし
聴く側も想像力豊かに
聴きとる必要がある作品だと思います。


それにしても
渋谷はいつも人が多いわぼけーもやもや


人混みを縫うようにしてパルコ劇場へ。

パルコ劇場は先月新しくなってオープンし、
今回の「ラブ・レターズ」は
その こけら落とし公演としての上演

新しいパルコ劇場は
劇場内の絨毯や劇場へ入る扉等
赤色が印象的でした。



ロビーには
こけら落とし祝いの酒樽が飾られてました。



「ラブ・レターズ」は
以前にも観たことありますが
今回 見てみたい組み合わせがあったので
チケット取りました。

以前は誰で観たんだっけ...?


かなり以前で覚えてないという...アセアセ


ただ、
朗読だけなのに物凄く感動した記憶はある。
感動のあまり
終わってから速攻で
原作本を買ったのだった照れ



上演のたびに
色々な男女の組み合わせで行われるけど
その組み合わせで観れるのはたった1回。

作品自体はリピートできるけど
読み手は毎回変わるから
同じものは二度と観れない。

それも
この作品の重要なポイントだと思います。


読み手が
若い人なのか 年配者なのか
誰と誰が出演するのか
それらよって表現の仕方は違ってくる。
本当に
観れるなら全部の組み合わせを観たい!
と思う作品ですね。


今回は頑張って二組を観劇します。


一組目の今日は
松重豊さん✕大竹しのぶさん

松重さんは『孤独のグルメ』で
あの飄々とした井之頭五郎を見て
好きになった俳優
そして
大竹しのぶさんは
この人ほど凄い女優はいないと
個人的に思っているMY No1女優

ということで、
これは観ないとぉぉーーー!!
となったわけです。


アンディーとメリッサという
幼なじみの二人の間を
50年間行き来した手紙。

ラブ・レターズというタイトルだけど
手紙の内容は
好きとか愛してるとか
そういう内容だけではない。

そういう言葉も出てくる時はあるし
2人も一時は近い関係にもなるけど
それぞれ
別々に結婚して、子供もできて
違う生活をしていく。

子供の頃の無邪気なやり取りから
やがて思春期を迎えて
お互いを意識したり嫉妬したり
そして大人になって
それぞれの伴侶と家庭を築いて...
と、手紙の中身で
二人の成長やその時々の様子や気持ち
全てがわかるけど
聴いている限りでは
なんだか友人としてのやり取りのよう。
なぜ、それらの手紙がラブ・レターズなのか

以下、私見ですが...


アンディーは男子校から大学へ
そして海軍→弁護士→上院議員と
成功者としての人生を歩んでいく。

一方のメリッサは両親の離婚に始まり
自身も結婚、出産と家庭を築いたものの
鬱病になって離婚。
子供とも引き離され
芸術家を目指すも挫折して...
と正反対の人生。

まるで会話のような手紙の内容から
二人の人生をなぞっていって...

ラストのアンディーの手紙。

この最後のアンディーの手紙を聞くと
これまでの手紙の一つ一つが
二人にとって
ラブレターだったんだと納得がいきます。

そもそも
メリッサの手紙はラブレターだと思うんです
終盤に向けて特に。

彼女の性格的に、
気持ちや考えをハッキリ述べるから
アンディーに対する気持ちがわかりやすい。

一見、メリッサの方の愛情が強く
片想いのような感じもする。

だけど
アンディーの最後の手紙で
アンディー自身も
自分がメリッサを愛していたことに気づく。
それも
単なる愛情というものではなく
もっと深い
人生においての心の支えのような...

そんな想いで自分が
手紙のやり取りをしていたことがわかって
自分の手紙もまたラブレターだったのだと
気づくということなんだと思うんです。

だから
『ラブ・レターズ』なんだと。


そして
これは直筆で綴る手紙だから成立する。
手紙の中でメリッサが
電話で話そうと
アンディーにけしかける時があるけど
電話だとこの2人の関係性は表せない。

今の時代ならメールがあるけど
メールでも
やはり2人の関係性は表現できないと思う。

やはり
相手のことを思いながら
一文字一文字綴っていく手紙だから
気持ちがこもるし、表現もされてくる。
だからこそ成り立つ作品だと思います。



松重さんは子供時代を
少し可愛らしい声で表現し、
やがて渋く大人の声になって
成長を感じさせていたのと
いつもメリッサに
優しい目を向けている感じが
松重さん自身の雰囲気と合ってました。

大竹さんは
奔放なメリッサそのもの。
終盤はアンディーだけを頼みに
すがりつくように助けを求め、
精神を病んでいく様子を
言葉の緩急や強弱で表現されてました。

お二人とも動きはないのに
演技されてるんですよねえ。
さすがです。
それにお二人の年齢も
ちょうどアンディーとメリッサの
最後の方の年齢に近いから
物凄くハマってるように思いました。


私も
最後の方の年齢あたりだから
より心境が
理解できるようになった気がします。

だんだんと
精神的に追い詰められていく
メリッサのラストは衝撃的だけど、
一人になって、やがて
アンディーを求めてしまう
アンディーが全てになってしまう
そんなメリッサの姿は
なんだか
今の自分と重なる感覚になりました。


やり取りする相手がいなくなって初めて
その人が自分にとって
いかに大切な人だったかがわかる


今の私の状況には
心痛い内容の作品です...