二層のスピーカーを選定する過程にいる。

そのためもあり、いま、ツィーターについて、勉強しなおしている。

最初は、高域は伸びれば伸びるほど良いと思っていた。

仕組みは、一択、ドーム型。

最も伸びる仕組みは、リボンツィーターだ.
100kHzまで楽に伸びる。
テクニクスは、120kHzまで伸びるリーフツィータを作っていたはずだ。
ただ、独特のリボンの金属音色は、スコーカーとなかなか、つながらないし、指向性も鋭いので
セッティングが難しい。

一方、効率はあればあるほど良い。
最も効率が良い方法は、ホーン型である。
110dBある。
しかし、高域は伸びない。固有の癖もあり、スコーカーとなかなか、つながらない。

リボン型は天吊りには絶対に向かない。ちょこちょこ微調整することができないからだ。

ホーン型は論外。単純に嫌いな音だ。

ドーム型が無難に違いない。

素材も重要だ。

軽いという点では、紙とかシルクは優れている。

しかし、こうした素材では20kHzまで出すのは難しい。

分割振動するので、高域はついてゆけず、歪がおおきくなる。

高域を伸ばすためには、固くて軽い振動板が望ましい。

軽くてかたい(曲がらない)素材が理想である。

古くから、いろいろなメーカーがいろいろな素材や製法を競ってきた。

ヤマハがNS-1000Mで採用したベリリウムは、軽くてかたい点では、群を抜いている。

固いだけだったら、ボロン、ダイヤがあるが、重いのである。

しかも、伝達音速が早いという点で、現在でも、最も優れている素材のひとつだろう。


音速が早ければ、なぜ良い振動板と言えるのかはあまり理解していない。

音速は、密度と弾性率で決まるのだが、ダイヤトーンの主張では

ボロンは音速が世界一だから優れている、という売り文句だった。

ベリリウムは、優れている。12000m/sもあり、これはアルミ 6420、チタン6070、マグネシウム 5770 の倍以上ある。

ボロンの音速も12500というからベリリウムに匹敵するが、案外重い素材なので、インパルスレスポンスは悪いはずだ。
そもそも、成型する技術がむずかしいらしく、僕の知る限り、スピーカーで実用化に到達したのは三菱電機だけだ。

当初は、チタンの土台に、ボロンの湯気を吹きかけて蒸着して作っていたと思う。

DS-1000zやその上位機種では、ボロン単体での製造に成功して、いまは、さらに良い製法で作ることができるらしい。

ただ、固くて曲がらない点では素晴らしいが、ちょっとしたことでスグ割れるようだ。

実際、DS-1000シリーズの、特にB4Cのユニットは、、ヤフオクなどをみても多くがすでに割れている。

僕もサイドchにDS-1000zを使っているが、高域の独特の癖がある。

その癖は僕には違和感がなく、むしろ長年耳になじんで気に入っているので、使い続けている。


世界でいま、もっともポピュラーなのはダイヤモンドだろう。

これはたぶん世界ではビクターがSX-1000labで商品化したのが最初だったと思う。

デザインは最低だった。

ただの四角いバッフルに、縦に3つ、並べただけの日本独特の直方体デザイン。

当然評判は良くなかった。

(テレオンで聞いたことがあるが、音は良いと思った。今にして思えば安い価格だったと思う)

ダイヤを伝わる音速は、地上最高で13000もある。

その後、ビクターは会社が傾斜してスピーカーは紙に戻った。

アバロン、B&Wなどがツィータにはダイヤを採用しているし、805D4にも使われているが、僕には音が悪く感じる。
100kHzまで伸びているのは本当だろうが、無駄に伸びているだけではなく、15KHz-18kHzに固有の強い癖を感じる。

子音が強調され、thの発音の直後に、ヒーヒーする付帯音がある。

これは、空気感とは関係ない、明確な歪だと思う。アンプのせいでもない。

たぶん、ボロンと同様、重いので劣っているのだ(とみている)。
 

こうしたスピーカーは、クセが気に入ればフロントLRに良いと思うのだが、二層の雑魚SP用途には合わない.

今回のセンターSPの選定でよくわかったのだが、LRより高域特性の良いSPをあてがうのは、失敗のもとなのである。

フロントの影武者になりきれず、主役としてアピールしすぎる.

結局、2層のスピーカーには、1層で使うスピーカーより高域が劣るのが良いと思う。

そうしたスピーカーを〇×式に一気にスクリーニングするのは、ツィーターの素材で行うのが手っ取り早い、と考えた。

いま使っているAV用のメインスピーカーのツィーターはチタンだ。

なので、そのチタンを超えない、程度のスピーカーをマルチチャネルSPにあてがう、ことが自分にあっている。

たぶん、チタンが最適であろうが、金属だとアルミ、マグネシウムあたりは同格だ。

また、TADを試して良い結果が出たように、同軸という構造も魅せられる。

しかしTADは、同軸に加えてウーハーがついていて、蛇足である。

同軸の良さは、1つのユニットをスコーカー兼ウーハユニットと、中心部にビルトインされているツィータで音を出す、点音源ということである。

点音源ゆえに定位が良い、のだ。

ちなみに、ただ同軸だから位相が揃っていると考えはいけない。

ツィータにはアッテネーターも必ず入るから、必ず位相は回転し、つまり、位相は狂う。
しかも、高域は必ずウーハがホーンとして働き、ウーハ振動板の動きで高域はゆさぶられる。

 

確実にいえるのは、同軸で設計したツィータは絶対にスコーカーと同相で駆動される設計になっているはず。

全ユニットが正位相に決まっているので、点音源と合わせて定位には確実に有利である。

でも TADは、せっかく同軸ユニットは点音源なのにウーハがあるため点音源ではない。
しかもウーハの分重くなり、天吊りできない。
同軸2wayだけの1ユニットでよいのだ。

答えが見えてきた。

同軸2way一発、ツィータの素材はチタン,アルミ、マグネシウムとする。

専用の天吊り金具が出ているれば なおよし。

金具がない場合は、穴をあけて天吊りするので、側面だけで自重を支えられる程度の強度も必要で、
重さは10kg程度が限界であろう。

いくつか、思い当たる会社、機種がある。

さっそく、手配にかかっている。

正解に近づいた気がする、