最初にセンターchを入れ替える。

今までも、間に合わせにセレッションのSPをスクリーンセンター上下に設置していたのだけれど、

本気でまじめにセンターSPを設置したことがないので、まずは、ちゃんとしたSPをあてがい、効果を試したい。

なぜセンターSPを最初にしたかというと、プロがミキシング時につかうモニターSPをみると、センターSPだけは左右2chとメーカーとモデルを合わせている事が多いからだ。
#アビーロードスタジオもそうだ。

しかし、僕の部屋ではそうはいかない。

左右LRのスピーカーが巨大なので、真ん中にもう1本入れることは不可能なのだ。

妥協案として、小型で良質のものを考えることにする。

用意したSPは、音が良い(はず)と自分で思った3つ。これら。


B&W 805D4sig

Focal Diablo
TAD CR1tx

前者2つは、まだ箱からは出していなかったけれど、3カ月前に購入済だ。

TADは高いのでお店からの借り物。


さすがに、この3つのどれかにきまるだろうと思った。

最初に、それぞれをステレオできいて、音の特徴を確認する。

フロントchと合うだろうか??

3つそれぞれが、良い音だが、不安がよぎる。


ダメだとしても、もう遅い。前に進もう。


音を理解した後に、センタースピーカーとして設置してみる。


マルチchのスピーカーレイアウトをフロント3ch、それにリアを加えた5chとして、シンプルに視聴をする。


視聴は、センターとして正しい位置に設置して、


正しい位置とは、フロントL/Rの中点だ。当然にスタンドの上に置く。


すでに周波数特性は測定済み、測定上はいずれ劣らず優れたSPだ。

B&Wは、高域が出過ぎだ。

高域の音自体は、どこまでも伸びて美しく魅力なのであるが、自然の音は、こんなに高域は強調されていない。

低音も、高域に対してかなり不足している。ドンのない、シャリ、という音。

雲一つないカリフォルニアの青い空の下で話す会話のような、妙に解放された音に聞こえる。

致命的なのは、フロントLR(フォーカルのSP)と、まるで音が違うことだ。ボーカルをフロントと混ぜて一緒に聞くとコーラスのように聞こえる。

気持ち悪い音だ。

しかも、色が最悪。

バールという仕上げを買ったのだが、テカテカ光る模様が、病気持ちのトラの皮のようでもあり、アマゾンに生息する蛇のようにも見える。

なんて、気持ち悪い色。

音も、色も、気持ち悪い。


このSPは、裏からみるデザインの方が、放熱板のすっきりした線が出ていて美しい。


失敗した。

これ、他のサラウンドchなり、リビングかどこかで使うことにして、まずはセンターSPとして却下。

重さは、15kgもあるので、天吊りできなくはない。

やや重い気がするが、他の二機種にくらべてマシではある。


Focalを試す。

実は本命だった。

LRと同じメーカーで、同じユートピアラインだから、合ってあたりまえ、と考えていた。

確かに、低域はB&Wよりたっぷりしていて、単体で聞く限りとてもよいのだが、、、

ただ、それでも低音は足りないし、なんだか違う。

高域が伸びすぎているのだ。B&Wに近い音だ。

思うに、同じユートピアラインでも、グランドユートピアやユートピアと、
それより小さいモデルは、音の造りが違うのだと思う。

それに、新しいモデルであるから、家にあるフロントSPと作られた年代も15年違う。


ヴォーカルの音色も、癖が強すぎる。
子音が耳に突き刺さる。

LRと合わせて鳴らすと音がまざって変だ。

これはエージングで取れてゆくものではない。

欠点とはいいずらいが、この大きさで20kgも重すぎる.

FocalのSPであれば、ワンランク下のライン当たりの方がセンターSPとしては主張が少ない分、良いかもしれない。

ちなみに、EUで買うと15500€なので、日本と値段は変わらない。
これ、どこで使うか考え中。

TADは、単体での音は、最も素晴らしかった。

はたして、センターSPとしてはどうか?

とても良い。音色も、LRと違和感を感じない。不思議だ。

同軸ドライバーが、優れているのだろうか。

ただし、二機種と異なり、低域は出過ぎでだぶついている。

無駄にウーハーがついている分、だぶつくのだろう。

3wayのウーハ帯域は蛇足である。

純粋に、2wayの同軸ユニットだけで十分だ。


それに、小さいくせに重すぎる。

実に46kgもある。キチガイじみている。

いや、小さいという言い方は正しくない。高さが60cm以上ある。奥行も45センチある。

こんな大きなものを、センターに持ってくるというのは、我が家ではできない。

普段はスクリーンの裏になる場所でAV用として使い、オーディオだけのマルチチャネル視聴の時だけ、
気軽に(必要に応じてスクリーン位置より前に)移動する使い方をしたいので、この1/3度の重さ、15kg程度が限界だ。

とはいえ、音は、3つの中でも最もよかった。

買っちまったものであれば、仕方ないから使うところだが、これだけは、まだ買っていない。
こんなに大きいのであれば、まったく欲しいと思わない。

これの、ウーハなしで同軸ユニットだけのモデルはないものか。

ちなみに、B&Wの蛇柄のように趣味の悪い仕上げのものが、新発売されている。
趣味の悪い色を喜ぶ人が多いと見える。

売れるのかな。

それにしても、うーん。ぜんぶ、ダメだった。

想定しない事態に陥ってしまったようだ。

帯に短し、たすきに長し。困った。

早くも行き詰ったか。