最初にセンターchを入れ替える。
今までも、間に合わせにセレッションのSPをスクリーンセンター上下に設置していたのだけれど、
本気でまじめにセンターSPを設置したことがないので、まずは、ちゃんとしたSPをあてがい、効果を試したい。
なぜセンターSPを最初にしたかというと、プロがミキシング時につかうモニターSPをみると、センターSPだけは左右2chとメーカーとモデルを合わせている事が多いからだ。
#アビーロードスタジオもそうだ。
しかし、僕の部屋ではそうはいかない。
左右LRのスピーカーが巨大なので、真ん中にもう1本入れることは不可能なのだ。
妥協案として、小型で良質のものを考えることにする。
用意したSPは、音が良い(はず)と自分で思った3つ。これら。
Focal Diablo
TAD CR1tx
前者2つは、まだ箱からは出していなかったけれど、3カ月前に購入済だ。
TADは高いのでお店からの借り物。
さすがに、この3つのどれかにきまるだろうと思った。
最初に、それぞれをステレオできいて、音の特徴を確認する。
フロントchと合うだろうか??
3つそれぞれが、良い音だが、不安がよぎる。
ダメだとしても、もう遅い。前に進もう。
音を理解した後に、センタースピーカーとして設置してみる。
マルチchのスピーカーレイアウトをフロント3ch、それにリアを加えた5chとして、シンプルに視聴をする。
視聴は、センターとして正しい位置に設置して、
正しい位置とは、フロントL/Rの中点だ。当然にスタンドの上に置く。
すでに周波数特性は測定済み、測定上はいずれ劣らず優れたSPだ。
B&Wは、高域が出過ぎだ。
高域の音自体は、どこまでも伸びて美しく魅力なのであるが、自然の音は、こんなに高域は強調されていない。
低音も、高域に対してかなり不足している。ドンのない、シャリ、という音。
雲一つないカリフォルニアの青い空の下で話す会話のような、妙に解放された音に聞こえる。
致命的なのは、フロントLR(フォーカルのSP)と、まるで音が違うことだ。ボーカルをフロントと混ぜて一緒に聞くとコーラスのように聞こえる。
気持ち悪い音だ。
しかも、色が最悪。
バールという仕上げを買ったのだが、テカテカ光る模様が、病気持ちのトラの皮のようでもあり、アマゾンに生息する蛇のようにも見える。
なんて、気持ち悪い色。
音も、色も、気持ち悪い。
このSPは、裏からみるデザインの方が、放熱板のすっきりした線が出ていて美しい。
失敗した。
これ、他のサラウンドchなり、リビングかどこかで使うことにして、まずはセンターSPとして却下。
重さは、15kgもあるので、天吊りできなくはない。
やや重い気がするが、他の二機種にくらべてマシではある。
Focalを試す。
実は本命だった。
LRと同じメーカーで、同じユートピアラインだから、合ってあたりまえ、と考えていた。
確かに、低域はB&Wよりたっぷりしていて、単体で聞く限りとてもよいのだが、、、
ただ、それでも低音は足りないし、なんだか違う。
高域が伸びすぎているのだ。B&Wに近い音だ。
思うに、同じユートピアラインでも、グランドユートピアやユートピアと、
それより小さいモデルは、音の造りが違うのだと思う。
それに、新しいモデルであるから、家にあるフロントSPと作られた年代も15年違う。
ヴォーカルの音色も、癖が強すぎる。
子音が耳に突き刺さる。
LRと合わせて鳴らすと音がまざって変だ。
これはエージングで取れてゆくものではない。
欠点とはいいずらいが、この大きさで20kgも重すぎる.
FocalのSPであれば、ワンランク下のライン当たりの方がセンターSPとしては主張が少ない分、良いかもしれない。
ちなみに、EUで買うと15500€なので、日本と値段は変わらない。
これ、どこで使うか考え中。
TADは、単体での音は、最も素晴らしかった。
はたして、センターSPとしてはどうか?
とても良い。音色も、LRと違和感を感じない。不思議だ。
同軸ドライバーが、優れているのだろうか。
ただし、二機種と異なり、低域は出過ぎでだぶついている。
無駄にウーハーがついている分、だぶつくのだろう。
3wayのウーハ帯域は蛇足である。
純粋に、2wayの同軸ユニットだけで十分だ。
それに、小さいくせに重すぎる。
実に46kgもある。キチガイじみている。
いや、小さいという言い方は正しくない。高さが60cm以上ある。奥行も45センチある。
こんな大きなものを、センターに持ってくるというのは、我が家ではできない。
普段はスクリーンの裏になる場所でAV用として使い、オーディオだけのマルチチャネル視聴の時だけ、
気軽に(必要に応じてスクリーン位置より前に)移動する使い方をしたいので、この1/3度の重さ、15kg程度が限界だ。
とはいえ、音は、3つの中でも最もよかった。
買っちまったものであれば、仕方ないから使うところだが、これだけは、まだ買っていない。
こんなに大きいのであれば、まったく欲しいと思わない。
これの、ウーハなしで同軸ユニットだけのモデルはないものか。
ちなみに、B&Wの蛇柄のように趣味の悪い仕上げのものが、新発売されている。
趣味の悪い色を喜ぶ人が多いと見える。
売れるのかな。
それにしても、うーん。ぜんぶ、ダメだった。
想定しない事態に陥ってしまったようだ。
帯に短し、たすきに長し。困った。
早くも行き詰ったか。