NHKの連続テレビ小説、「ひよっこ」が終わりました。
 
TOEICを受験するために、ブログをお休みしてからは、日本のテレビ番組は、ほぼ観ない日々でしたが、「ひよっこ」だけは継続して視聴していました。
 
このブログはもともと、大好きな日本のドラマの感想を書くために始めたし、いつかは感想を書けたらとずっと思ってました。
 
そして、このタイミングでお久しぶりに更新です。
 
「ひよっこ」について細かいことを言おうと思えばいくらでも突っ込めそうなほど、途中で粗が目立つ作品ではあったと感じていたのですが、迎えた最終回で、私はそんなことは全部どうでもいいという気持ちになりました。
 
はい。
号泣しました(笑)。
 
何も偉業は成し遂げないヒロイン。
どこにでもいそうな女の子が、茨城から上京し、様々な経験を経て、大好きな人と一緒に婚姻届けに判子を押すという最終回。
しかもラストシーンはその2人のカットではなく、上京前にずっと地元で仲良くしていた幼馴染の時子(佐久間由衣)三男(泉澤祐希)とのスリーショット。
(正確にはヒロインの挨拶で終わりますが、その前のカット)
 
我が家も経済的に決して恵まれた環境ではなかったので、ヒロインみね子(有村架純)が初めて恋した相手・島谷(竹内涼真)と身分違いで別れるなどという場面は胸が締め付けられるほど観ていてつらかったし、終盤は前半の良さを失った気がしてヤキモキもしました。
 
それでも最後まで観ることができたのは、ひとえに有村さんはじめ、出演者さんの演技が素晴らしかった。
これです。
 
私は普段、観るドラマはキャストではなく脚本家で決めることが多い。
だから正直、キャストは二の次なんです。
ですが、この作品に関しては、とにかくキャストが途中挫折しそうになる私を引き留めてくれました。
 
岡田惠和さんは、好きな作品と受け付けない作品と両立している、私の中では珍しいタイプの脚本家さん。
でも、期待はしていました。
 
その予想は、開始3か月間、裏切られることがありませんでしたが、舞台が赤坂に移ってからは、惰性で観ている時もありました。
 
私としては開始直後の奥茨城編と、集団就職した向島電機編が素晴らしくて、あの辺りを超える回は最後までないんだろうなと思って覚悟を決めて迎えた最終週だったのです。
 
なのに、なんですか?
あの最終回。
15分、わずか15分の中に、岡田さんは見事に「日常のささやかな幸せを大切にすることの尊さ」を詰め込みました。
 
ヒロインの、ただ出会いと別れを綴り、思い出話のようなドラマだったのに。
否。
普通の女の子のお話だったからこそ、そうそうドラマティックに面白いことばかり起きるはずはなかったのです。
「つまらない」と感じる回があって、当然だったのです。
 
最終回の、「涙くん、さよなら」という楽曲の使われ方。
実(沢村一樹)がすずふり亭に預けた重箱を思い出す下り。
未だ一部しか記憶が戻っていない実に、
「それでいいんだ。」
と諭す茂(古谷一行)じいちゃん。
 
姉の結婚に、
「お兄ちゃんが欲しかった。」
と素直に喜びを表現する姉弟の可愛さ。
 
「悲しい出来事に、幸せな出会いが勝ったんだ。人間はつえーぞ。」
と叫ぶ叔父(峯田和伸)。
 
”また逢う日まで”
と歌う谷田部家のショットからの、桑田佳祐さんの主題歌「若い広場」のオープニング。
あの演出に、胸が熱くなりました。
 
 
 
 
 
 
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最終回前日の情報番組「あさイチ」で、有村さんは、
「人の想いが作品に宿る」
と語っていました。
なんて素敵な女性、女優さんだろうと思いました。
こんな風に真摯に役を演じることができる彼女が、谷田部みね子の中にいたのです。
嫌いになんか、なれるわけがないです。
 
有村架純さん。
私が大好きな作品、「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」であなたを見た時、あなたは”杉原音”でした。
だから、他の作品を観ても、なんだかどれを見ても、
「ああ、音はこんなんじゃない。」
「これは音じゃない。」
と、楽しめていない自分がずっといました。
 
でも、「ひよっこ」のあなたは、確かに”谷田部部みね子”でした。
素晴らしかったです。
 
これからも、女優としてのあなたを、心から応援しています。
約1年に渡る撮影、本当にお疲れ様でした。
 
続編やらスピンオフの話がチラホラ出ていますが、私個人的には三男と米子(伊藤沙莉)のその後が(茨城の実家も含め)観たいかな。
あー、それ言ったら、澄子(松本穂香)と豊子(藤野涼子)もね。
それ言ったら愛子(和久井映見)と省吾(佐々木蔵之介)もね。
あー、キリがないよー。
 

 

 

 
 

秀を演じた磯村勇斗さん、今後のあなたに、期待します。
 
みね子、結婚おめでとう。
幸せのおすそ分けを、ありがとう。
 
そして、
「また逢う日まで。」