衝撃的なラストだった9話。
視聴率は最後まで上がりませんでしたが、今期私が朝ドラを除いて唯一毎回欠かさず観ていた連ドラ、「リバース」が最終回を終えました。
原作は未読。
結末が気になり、途中でなんんとネタバレを読んでしまったという失態(笑)。
それでも9話まで、魅力的な作品に変わりはありませんでした。
そう。
9話までは。
未読の上であえて言いますが、この作品は、ドラマ化されて良かったのでしょうか?
主役・深瀬を演じた藤原竜也さんは素晴らしかったですし、助演の皆さんがそれぞれお見事だったことは否定できませんし、しません。
特に、最終回では、亡くなった広沢(小池徹平)の母親を演じた片平なぎささんが特筆すべき名演を見せたと思います。
私は彼女が、亡くなった息子の友人たち、深瀬、村井(三浦貴大)、谷原(市原隼人)、浅見(玉森裕太)4人が過去の真実を話すために訪れた時に激しく怒りを見せた時に泣きました。
母心が、伝わってきて、胸が痛くなったから。
長台詞の場面でしたし、怒りや悔しさを最大限見せつけなければならない難しいシーンだったと思います。
さすがの大ベテランさんですね。
正直に書くと、10話にはもっと期待していました。
原作では、深瀬が「広沢を殺したのは俺だった。」
と悟る(?)ところで終わり。
それを、どうやって話を膨らませて、映像化してくれるのか、期待度はかなり高いものでした。
メインキャストはもちろんいい演技されてたのですが、脚本ですかね。
広沢の死の謎、それが、説明台詞で全て小笠原(武田鉄矢)の口から語らせて終わりだなんて。
確かに、窃盗事件のことはラジオで流れていましたが、これでは本当に後出しじゃんけん。
終盤にいきなり登場したてんとう虫のキーホルダーからあっさりと窃盗犯が余罪を告白?
ちょっと出来過ぎではないでしょうか。
これでは、せっかく頑張ってきた出演者さんたちの演技が台無しになったような・・・。
深瀬と美穂子(戸田恵梨香)の恋がメインなのか謎ときがメインなのか分からなくなってしまい、ラストを二人で締めたのは、絵にはなるけれど原作の本筋とは外れてしまったような。
同級生の群像劇としては、良作・・・だったのかな?
村井も離婚し、谷原のパワハラも解決しそうで、浅見も教師として衝突していた生徒とも和解。
それぞれ人生再出発でしょうか。
でも、3人とも抱えているものの重さが違い過ぎて、そこをもっと上手に描いてくれたら最終回、満点だったんだけどな・・・。
あまりに唐突に一気に事態を収束に向かわせてしまい、9話まで丁寧に積み上げたものが崩れたように感じざるを得ません。
深瀬が蕎麦はちみつのことを知り、自宅で飲まず食わずで倒れていたのを小笠原が発見して、同級生3人から届いたメッセージに感動するシーンですが、
このシーンでも分かるように、一番描きたかったのは、友情なのか、恋だったのか?
テーマを絞り切れなかったことが、結果的に数字にも繋がらなかったのではないでしょうか。
湊かなえさん作品、「夜行観覧車」「Nのために」にメインキャストとして出演された窪田正孝さんと杉咲花さんまで特別ゲストとして引っ張り出して数字を最後まで狙いにきた熱意は伝わりました。
でも、脚本を作り上げていく過程で、スタッフさんたちの心が、各々違う方向を向いていたのではないか?と思ってしまいました。
もちろん、深瀬と美穂子のこれからを期待させるラストシーンは美しかったし、お二人はいい演技をなさいました。
でも。
残念な最終回でした。
寧ろ原作と同じように先週のラストで終わったほうが、衝撃的で他に類を見ない作品になったのでは・・・?
(いや、それじゃ、メインキャストの”その後”が描けないか・・・)
うーん。
私が脚本書いていたら、こんなに強引な最終回にはしたくないだろうなぁ。
(原作未読のくせに、どの口が言う!!)
最終回は、冒頭、深瀬のモノローグ、
「コーヒーは、ドリップして落ちた最初の一滴が最も味わいが深く、最後の一滴が最も苦い。
最後の一滴は、決して入れてはいけない。」
で始まりました。
皮肉にも、自ら最終回の仕上がりに対して嫌味を言っているようにも聞こえてしまいます。
最終回に、私は一番苦い印象を持った、これは、事実なのでした。
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主題歌と音楽は、とっても良かったなぁ。
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一個前の記事でもお知らせしましたが、金城一紀さん・原案、脚本で、主演に小栗旬さんの傑作「BORDER」の続編(SPドラマ)が決まり、明日の0:00までTVerで全9話、限定配信中です。
こちらの最終回こそ、衝撃でした。
SPドラマの放送日は未だ発表されていませんが、レギュラー全員(遠藤憲一さん、青木崇高さん、波瑠さん、野間口徹さん、浜野謙太さん、古田新太さん)と、最終回のゲストだった大森南朋さんの出演が決定とのこと。
思えば波瑠さんは、どの役よりもこの作品の監察医役が適役と感じます。
その他助演の方々の個性溢れる名演技に、また酔いしれましょう。
夏のドラマに期待が持てそうにない分、この作品が今から楽しみです。
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内容も音楽も抜群。