「1度押してみたかったんだよ。」

そう主役の稲見朗(小栗旬)が、連ドラの第1話で初めての台詞を発したのが開始14分頃。

それは、朝ドラの1話分に相当します。

 

押してみたかったもの。

それは新幹線の急ブレーキ。

 

日本のドラマにしてはなかなか見ごたえのあるシーンを冒頭でぶつけてきたのは、さすが金城一紀さんの脚本。

その開始14分のアクションシーンは「SP」を彷彿とさせ、専任の情報分析官(新木優子)まで登場させて、アメリカの人気犯罪ドラマ「クリミナルマインド」を匂わせました。

 

ただし、西島秀俊さんは、既視感のある役ですね。

田中哲司さんも、どんな役を見ても同じようなキャラに感じてしまうのは私だけか?

 

奇想天外なお話でも、登場人物に人として魅力があれば継続視聴したくなりますが、私の期待が大きすぎたせいか、この作品の1話約60分は、今日放送分の「ひよっこ」1話15分に叶わなかったように思います。

 

「クリミナルマインド」のペネロペ・ガルシアという情報アナリストを見慣れていると、新木さん演じる大山玲は物足りない気が。

「大丈夫?ちゃんと情報分析してる?」

と、疑ってしまうような。

 

ただ。

メインキャストお二人、小栗さんと西島さんはひたすらカッコいい。

この作品はこれに尽きます。

 

キャラに感情移入できないのは、未だ1話だからなのか?

もう日本の犯罪ものに、期待はしてはいけないのか?

権力のある政治家のバカ息子がキーマンというのは日本らしいストーリーではあるし、主演二人がカッコいいのに何かが足りない。

動機もありふれたもので、続きが観たくてたまらない・・・というほどではありませんでした。

 

金城さん脚本で小栗さんと言えばテレ朝の「BORDER」。

あの作品には到底及ばないと言いましょうか。

 

 

一方、今日の「ひよっこ」。

第二週目、11話です。

156話あるうちの、11話。

昨日既に描かれた美代子(木村佳乃)の不安は、今日の回で爆発しました。

そのわずか15分のドラマのクライマックスは、開始13分。

 

相変わらず、父親・実(沢村一樹)の失踪という深刻な出来事が起きている一方で、上京した美代子の置かれた立場と気持ち、それを際立たせたのは奥茨城の田舎の風景と、元気のないみね子(有村架純)を心配する幼馴染の時子(佐久間由衣)と三男(泉澤祐希)の二人、そして何にも知らない幼い妹弟(宮原和、高橋來)。

 

美代子は初めて夫の出稼ぎの寝床を目にし、その劣悪な環境に顔をしかめます。

仕事がつらくて消えてしまう出稼ぎ労働者は多いのだと、夫の顔をもろくに覚えていない宿の世話人。

真剣に探していたらキリがないと取り合わない警察。

当時は本当に多かったであろう失踪してしまう出稼ぎ労働者の、まるでドキュメンタリーを観ているようでした。

 

泣き止まない赤ん坊を、ほうっておけない美代子の姿も、またその人柄を表し、

「本当にね、茨城から来てご苦労なんだけど・・・」

そう言って流れ作業のような対応をして、帰そうとした警察官に対し、美代子は泣きながら頭を下げます。

これまで子供たちに心配をかけまいと胸に秘めていた不安が、涙と一緒にあふれ出た瞬間でした。

木村佳乃さんの渾身の場面でした。

「いばらぎではなくて、いばらきです。」

「谷田部実という人間を、捜して下さいと、お願いしてます!」

ここで私の涙腺は今日も崩壊。

 

 

また、みね子は母が、自分に嘘をついていることを悟り、みね子はみね子の不安をじいちゃん(古谷一行)にぶつけます。

この時のじいちゃんがまた素晴らしい。

みね子が不安だからって、自分の口から真実を告げるのではなく、みね子の手を取り横に座らせて、

「親が子供に嘘つく時には、わけがあんだ。子供のことを想って、嘘ついてんだ。嘘と分かっても、母ちゃんから話すまで、待ってやれ。」

古谷さん演じる茂じいちゃんのお芝居は言うまでもありませんが、それを受ける有村さんも素晴らしいです。

涙をこぼしながら、茨城弁で、

「わがった。」

と。

 

また、毎回思うのですが、有村さんはモノローグが抜群です。

未見の方、「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」をぜひご覧下さい。

関西出身のヒロイン・音のモノローグも素敵でしたが、弁の茨城弁のみね子もまたいいですね。

 

心和むシーンも挟みつつ、シリアスなところではきっちり締めてかかる。

緩急するどい脚本・演出に、15分があっという間でした。

 

そして早く明日が観たい。

こんなに待ち遠しい朝ドラ、何年ぶりでしょうか。

 

ところで、千人以上の応募者からオーディションで選ばれたという幼馴染の三男役の泉澤祐希さん。

あの名作の呼び声高い「白夜行」で、山田孝之さんの幼少期を演じた方です。

 

綾瀬はるかさんの幼少期は福田麻由子さんですね。

 

成長した泉澤さんは・・・

すっかり田舎の農家の三男坊に。

(田舎の農家の三男坊を、実際には知らないですけれども・・・)

 

 

☆.。.†:*・゜☆.。†.:*・゜☆.。.†:*・゜☆.。†.:*・゜

 

 

どうしても「ひよっこ」の感想が書きたくて、コメントのお返事が遅れていて申し訳ありません。

 

明日も休日出勤なので、お返事が遅くなりますが、いつも有難く読ませていただいております。

 

ご訪問、「いいね!」、ありがとうございます。

 

それから、「待っています」と書いて下さった方がいらっしゃったにも関わらず、結局冬ドラマの最終回について書けないまま春ドラマが始まってしまいました。

 

それが気がかりです。

本当に気長に、お時間いただけたら書けるものは書きたいと考えています。

 

短くなるとは思うんですが・・・。

 

私の地元は未だ朝晩冷え、ヒーターやホットカーペットが欠かせません。

私より寒い地域の皆さん、春は未だですかね。

 

お互い身体には気を付けましょう。

 

明日も「ひよっこ」を楽しみに、仕事を頑張ります。

 

今夜は「リバース」ですが、観るのはまた後日。

「母になる」も、録画を観たら感想が書けたらいいなと思います。

 

 ✱記事に誤りがありました。

コメントで、教えて下さった8may88さん、ありがとうございます!