相撲の稽古の一つに「股割り(またわり)」というものがある。怪我をしないためにも、この股割りができないといけないが、体が固い新弟子にとっては本当に辛い。兄弟子に無理やりを広げられ、後ろから押される。地獄のような稽古である。


 元大関栃東関もこの股割りのおかげで学生の相撲部時代に辛い思いをしたそうだ。両足を先輩たちに開かされて、後ろから乗られ、その瞬間、「バキッバキッ」と音がしたらしい。それで、激痛を我慢して稽古を続けていたが、半年くらいして病院に行ったら、医者に『即入院!』と言われたそうだ。実は、股割りで後ろから乗られた時の衝撃で、剥離骨折していたらしい。どうやら筋肉に引っ張られて骨が割れていたようで、1ヶ月も入院してしまったそうだ。痛そう・・・


 普通の人が股割りをしたいならば無理は禁物。お風呂上がりや稽古後など、体が暖まった状態で、をたたきながら、少しずつ柔らかくして、できるようにしていけばいい。後ろから一気にではなく少しずつ押してもらうのも効果的。「い~ちっ、に~いっ、さん~」のさんのときに少し強めに長く押してもらうようなリズムでやればいいと思う。個人差はあるが、だいたい3ヶ月続けると、できるようになるものだ。