間近で観る聖子さんーー
ほんと、つい最近子供を産んだとは思えない!?
めっちゃ高い音域までしっかりとした響きとハリがあり、しかも透明感のある力強い歌声…
それを加えて、歌に込められた熱い想いや情熱、さらにはコケティッシュな可愛らしさに、「母」としての強さ、たくましさまで感じさせられて、ひたすら心をえぐられ、揺さぶられ、魂の中の何かが目覚めさせられたかのような感覚を抱かせられた2時間でした!
エポニーヌの「オン・マイ・オウン」はもちろん素晴らしかったし、アンコール曲『トゥーランドット』からの「誰も寝てはならぬ」(荒川静香さんがイナバウアーで金メダルを取った曲)は、とにかくもう圧巻!
聖子さんが歌い終わるや否や!?ものすごい拍手とスタンディングオベーション!
これ聴けただけでも、今日頑張って来た甲斐があったかも〜!?
でもですね…
私的に一番心振るわせられたのは、1幕の最初の方で歌われたシューベルトの「アベ・マリア」…
広島での公演だからと、特に祈りを込めて選曲したものだそうです。
「祈り」という言葉にふさわしい透明な声と温かく優しく語りかけるような歌い方…
聞いていて、本当に目頭が熱くなりました。
さらに、それに追い打ちをかけるように!?歌われたのが、なんと!私の大好きだった「かぐや姫」の「あの人の手紙」ーー
この曲、高校時代フォークギターにハマっていた頃(笑)、とにかく好きでよく一人で弾き語りをしていました。(今はもうできません! )
「愛する人」を戦場に取られ、引き裂かれてしまった女性の悲しい歌…
愛する人、愛しい人を失う悲しみをこれほどまでに切実に美しく歌い上げた曲が他にどれほどあるのか?!と思える名曲…
(聖子さんも「かぐや姫」の隠れた名曲だと言っておられました!)
「アベ・マリア」と続けて歌われることで、愛する人を失う苦しみや愛しい命が奪われる悲しみといったものが浮き彫りにされ、それに対して捧げられる「祈り」を共有することで、「生き残った者」がその命を大切に生き抜いていくことこそが大切なんだと言われているような気がして、魂が震えるような思いがしました。
聖子さん、本当に本当にありがとうございました!
↑ 帰り道、平和公園の中を通って電車道に出る途中、「原爆慰霊碑」の前にて
この慰霊碑の中から、遠く原爆ドームが見えます。
↑ 相生橋のたもとの桜の木の下で撮った原爆ドーム前
全然関係ないけど…
風立ちぬ
いざ生きめやも
の堀辰雄の訳詞がどこからともなく響いて来たような気がしました。
(いや、それは単に、お昼から何も食べていなかった私のお腹が鳴っただけかもしれませんけどね… )