昨日今日と、各地ですごい雪でしたね…
広島市内も、何年振りかの大雪で、交通機関にもかなりの乱れが出たようです。
昨日今日は「大学センター試験」の日でもあったわけですが、「センター試験日にはなぜか雪が降る」というジンクス!?は見事に生きていたようで…
受験生の皆さんはたいへんだったと思いますが、本当にお疲れ様でした!
さて、雪で仕事(ボランティア出勤)に行く気もなくなり、今日は久々に休日らしいのんびりした休日を過ごすことができました…
【作品紹介】
敏腕編集者・牛河原勘治の働く丸栄社には、本の出版を夢見る人間が集まってくる。
自らの輝かしい人生の記録を残したい団塊世代の男、スティーブ・ジョブズのような大物になりたいフリーター、ベストセラー作家になってママ友たちを見返してやりたい主婦……
牛河原が彼らに持ちかけるジョイント・プレス方式とはーー
現代人のふくれあがった自意識といびつな欲望を鋭く切り取った問題作。
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「問題作」ねえ…
まあ、確かに、出版界の「裏事情」をここまであからさまに暴露していいんかい?!
って感じですよね〜!(^▽^;)
でも、ここまでズバズバいってくれたら、むしろ爽快というか、潔ささえ感じられて気持ちいいですよね…
「ジョイント・プレス方式」って、初めて聞きましたが、こんなやり方(出版社と著者の双方で出版にかかる費用を負担する)で自分の本を出版する方法があるんですね…
世の中には、自分の本を出版したいと考えている人がそれこそごまんといるって…
まあ、そうかも…と思わないこともないですが…
でも、そのやり口がかなり巧妙というか悪どいというか…
言葉巧みに!?著者をその気にさせて本を出版させようとする…それはすなわち、その著者にお金を出させようとするってことで(それがその出版社の儲けになる!)…その辺りのやりとりがもう、とにかくすっごい読み応えがあります!
難病で子供を亡くした母親の本を出した部下が、「素敵な本を出してくださって本当にありがとうございました」というその母親のお礼の言葉に対して良心の呵責を感じ、上司の牛河原にこの仕事を辞めたいと言う場面ーー
「この仕事って(本を出したいという)人の夢を食いものにしている気がするんです」
と言う部下に対し、亡くなった子供のことを本という形で多くの人に知ってもらいたいと望んだ母親の願いを叶えてあげたことは、むしろ誇りに思っていいことなんだと説得する上司の牛河原勘治…
いや、もう、見事です!
確かにそういう面もありますよね…
いや、しかしですね…
やっぱり1冊の本を(いわゆる「自費出版」という形ではなく)出版するのに200万円前後かかるって…
やっぱり高いですよね!
(と言いつつ、もしもこの牛河原さんみたいな編集者の人から「あなたも自分の本を出してみませんか?」なんて言葉巧みに言われたら、結局ホイホイお金を出しちゃうかも… )
↑ と思わせるところが、この本のすごいところかも…
しかも、なんだか上から目線で!?人の気持ちを決めつけるところがあって、ちょっと嫌〜な気がしないこともなくって…
「売れない作家」が嫌いなのはいいけど、あんまりその「醜さ」ばっかりあげつらって押し付けないでほしいなあという気も…
確かに読み応えがあってその時は面白いというか、その語り口にグイグイ引き込まれて(カモにされた「著者」たちみたいに!?^^; )読み切っちゃったけど、あんまり「爽やかな読後感」とはいかないかも…!?