酒泉公園から西の、ほど近い所に鍾鼔楼門がある。街の中心に位置する東西南北を示す基点であり、かつてはここで、金(かね)や太鼓を打って、時を知らせていたという。

  私が持参した資料によれば、鍾鼔楼門の創建は前涼時代(四世紀)との事だったが、現在の建物は清代の一千九百五年に再建されたものだという。高さ二十七米。四方の門の上に掲げられた門額には「東迎華獄(東に華獄を迎え)「南望祁連(南に祁連山を望み)西達伊吾(西は伊吾に達し)「北通沙漠」(北は砂漠に通じる)の文章が書かれている。往古よりシルクロードを行き交う旅人は道標(みちしるべ)としてこの門をくぐっていったことだろう。