神の子 | Charming Voice

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舞台 神の子  公式HP

 

(作・演出) 赤堀雅秋

(出演) 大森南朋 長澤まさみ でんでん 江口のりこ 石橋静河 永岡佑 川端和雄 飯田あさと 赤堀雅秋 田中哲司

 

1月18日・19日 サンケイホールブリーゼ

 

舞台「同じ夢」から4年。それから赤堀さんの舞台を観るようになってリアルな表現に魅了されてきていました。赤堀さんと南朋さんと哲司さんのユニット再びで楽しみにしてました。

 

南朋さんとでんでんさんと哲司さんは冴えない毎日を過ごしている男達、皆独身で貧乏。

ある日、田畑と斉藤という美しい女性と知り合い、ごみ拾いのボランティア活動を始めます。

 

南朋さんが演じる池田は、借金まみれで本当にダメな人。全然かっこよくない。

4年前に観た時よりも哀愁さが増してて赤堀作品にめっちゃハマってましたね。

 

長澤まさみさんが赤堀作品に!意外性があって良いな。

いつもの華やかな美しさを封印し、陰の部分、恐ろしい位に美しかったです。

キリストの教えを信じ生きてきている田畑役。でもかなり限界に来ていて、抑えきれない感情がなんだか辛くて、そして見ていて怖くて。

 

石橋静河さんは、田畑に憧れ以上の感情を持つ斉藤役。清々しい若さが反って悲しい感じがしました。

バレエを踊るシーンがあるのですが、ここで泣いてしまいました。こうやって踊りたかったんだろうな~

田畑も斉藤も何かに依存(依存っていうのは少し違うかもしれないけれどいい言葉が浮かばないので)しないと生きていけない位の事があったみたいで気持ちは分かるんだけど、見ていてやっぱり辛いです。

 

田中哲司さんの五十嵐、サイテーです。気持ちいい位サイテー(笑)

江口さん演じる五十嵐に惚れるスナックのママの美保、悲しい位女~そしてエロい。

エマニュエル夫人みたいな格好で出てきた時、思わす笑っちゃった。その格好を江口さんにさせた赤堀さんの事考えたら可笑しかったです。

 

でんでんさんに田畑と斉藤に向かってその場が凍るような凄いセリフを言わせてて、あそこ凄いって思いました。

 

赤堀さんの無職の金持ち男、嫌悪感しかない。

そういえば池田が自分は何の役にも立たないみたいな事言ってたけど、この男を助けたよね、多分。

二人で話すシーンがあるんだけど、途中で終わったから定かではないけど、でも助けたと思います。

 

そうそう、赤堀さんの「世界」という舞台で早乙女太一君が演じた辺見君とこの舞台の南朋さんが演じた池田が同じようなシチュエーションで同じような台詞を言ったのがあって、この時ニマニマしていたのきっと私だけだろうな~

 

南朋さんと長澤さんのバドミントンシーンが微笑ましい。

そして南朋さんのギターと生歌!

 

さりげなく残酷な言葉を放つ赤堀さんの脚本に泣いたり、滑稽さに笑ったりしました。

でも優しさもじわりじわり感じました。

どんずまりでもかんじがらめでもどうしようもなくっても、人は生きたいって思うのですね。凄いです。

 

オープニングとラストは同じです。ここに出てくる男、女達を観た後は、同じでも違うのですよね。