ラフマニノフのヴォカリーズを聴きながら夜空を眺めると


想い出の水色の夜汽車が見えるようで…


今夜もほんの少しの時間だけ


冬の終わりを告げる


星座を眺めた。



闇夜に浮かぶ


月の浮き舟は


真夜中の


閑な水辺のほとりのようで


どうしようもなく不安に駆られた気持ちが



静かにやわらいでいくのを覚えた。




普段は白く煙る


心の奥の記憶が呼び覚まされ



心が落ち着き 穏やかに戻れるのは



青い夜の中に 微かに光る


懐かしいシルエットが見えたから…



心の奥の


深く入り込んだところに眠る



この小さく些細な想い出が



どうか…


忙しい毎日に押し潰されてしまわないよう…



忘れないでいられますように…