オスカはアダムに乗るような感じで、さらにアダムの髪を掴み
「むぅ!寂しいのだ!!温もりが欲しいのだ。悪魔だっていいじゃないか。駄目!?」
アダムはオスカを掴み、引き剥しながら言う。
「ウルセェ、何がだ。落ち着け馬鹿。」
オスカは自分の存在が疑われている事だと思い込んで、切れ気味に言った。
「やい、アダムとやら、さては信じてないな!?私が悪魔だということを。」
アダムはオスカが飛び乗ってきたことで椅子から落ちないようにバランスをとりながら、半ば馬鹿にしたような口調で
「信じてるよ」
さらにオスカは、アダムに言った。
「ではなんだ、その落ち着き様は!オカシージャナイカ」
アダムは切れそうになっていた顔を、直し、今度は呆れ顔になってオスカに説明し始めた。
「慣れてんだよ。こういう珍事には。『超・主人公体質』といってな。古今東西ジャンルを問わず、妙ちきりんな生き物や出来事を引き寄せちまうんだ。」
オスカは少し考えて、説明を理解し、アダムに聞いた。
「つまり私が妙ちきりんだと言いたいのか?」
「ああ、お前は妙ちきりんだ。」
少しがっかりしながらも、アダムの事に興味を持ったオスカはアダムの話をもっと聞こうとする。
「ウム、だが面白い話だ。主の事や外の事をもっと聞かせてくれぬか?長い間籠っていて暇なんだ。」
アダムは外を見ながら
「子供は寝なさい。俺は帰る。雨も止んだし。」
オスカは寂しそうに花をプチプチ千切っている。アダムはめんどくさいという顔しながらオスカに尋ねた。
「そんなに暇なら外に出ればいいじゃないか。こんなところで籠ってないでよ。」
オスカは少し寂しそうな笑みを浮かべて
「そうはいかん。私などが外にでたら・・・人が怖がるだろう?」
アダムはオスカの悲しそうな表情を見て、少し考えて口を開けた。
「どかぁああん!!!・・・という轟音と共に水面から何が出てきたと思う?」
あまりに大きな声を出すから、オスカは吃驚しアダムの問いに戸惑っていた。さらにアダムは自分の経験を自慢げに話した。
「恐竜だ!他にもツチノコやら妖精に会ってなぁ!」
突如アダムの口から出た言葉に、オスカはすっかり虜になっていた。しばらく時間がたって、アダムは時計を見て
「ん。もうこんな時間か。そろそろ行くかな。」
突然の帰宅宣言にオスカはさらに吃驚発言をする。
「へぇ~~・・・ってヤダぁ!行くな!!コロスぞ!!てゆーか結婚してくれ!」
その発言にアダムも吃驚し、落ち着かせるためにオスカに言った。
「さりげに凄い発言したな!落ち着け!」
帰り支度するアダムの手を握りオスカは泣きながら請う。
「なぁ頼む!私はもっとアダムと話をしたい!死ぬか結婚するかを・・・!!」
「言ったろ。俺が居ると珍事を引き寄せちまうんだ。」
オスカはむしろわくわくした感じで
「平気だぞ!むしろそんな楽しいイベントなら大歓迎だ!」
アダムはオスカを傷付けたくないが故にさらに過去の話をした。
「3歳の頃に家に隕石が落ちた。さっきの話は特例だ。楽しいことなんてほんの一握りだ。オレが乗車する乗り物には必ず事故するかジャックされるし、意味不明な殺し屋に狙われるし、極めつけはツチノコの大群に襲われる始末。超・主人公体質なんて言ってるが、要するに、夢も自由も幸福もない、不幸体質だ。」
アダムはさっきオスカがしたような悲しげな笑みを浮かべて話した。オスカは少ししょげながら
「つまり・・・私と会ったことが不幸とでも言いたいのか?」
「違ぇよ。不幸になるのは、お前だ。」
その瞬間、オスカの後にあった窓ガラスが割れ、女性が三人入ってきた。不意を突かれたオスカは驚いた。女性達はオスカを見て嬉しそうな口調で
「偶然にも悪魔を発見しましたよ!お姉さま!」
「これってボーナス出ますよね?シャネル買えますよね??」
「おやめなさい。何がシャネルですか。自重なさい。突然の訪問そして失言をお許し下さい。改めまして・・・ヴィトンのために死になさい。悪魔(カス)。」
「あぁ、ヴィトンでしたか。」
アダムはオスカにたずねた。
「何だあの腹が立つ連中は。」
オスカは少し驚きながらもアダムの問いに答えた。
「エクソシスターズ。魔族専用の払魔師部隊だ。どうしてこんな辺境の地に・・・。今までこんなことは一度も・・・。・・・!まさか・・・!」
「そのまさかさ。言ったろ。」
アダムはオスカの頭をなで、前に出た
「俺と関わっても不幸にしかならん。ココはオレが食い止めるからお前は裏から逃げろ。」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
どうですか?少し、おかしいところがあるかもしれません。小説とは程遠い出来ですが温かい目で見てください。これでもまだまだ1話の途中なんです。次回1話終わりの予定です。大変ですが、がんばってますので、応援をお願いします。