それはおかしな設計の飛行機だった。
大空を自由に舞う翼と長く、とても長く飛ぶためのエンジンが積まれていた。
フォルムに対してエンジンが合ってなく、凄く不恰好に見える。
プロペラが回り飛行機は震えながら加速を始める。
少しずつ・・・少しずつ・・・。
普通では考えられない距離の助走だった。
滑走路を過ぎ既に道無き道を走っていた。
崖が見えてくる。
飛行機が消えた。
いや、崖から飛び降りた。
誰もが落ちたと思った。
しかし飛行機は海上すれすれをぎこちなく浮いていた。
そこから飛行機は一気に上昇を始める。
さっきまでの揺れは消え、
高度が上がり翼が風を切る。
雲が尾を引いた。
エンジンが唸り真っ直ぐ空を目指す。
とても高い・・・高いところだった。
しかし、一瞬の出来事だった。
そこから飛行機は緩やかに下降を始める。
エンジンも翼も不調の原因は見当たらない。
どちらも空への、あの高みへの執着心は捨てなかった。
それでも下降は止まらずついには海上スレスレまで来てしまった。
そしてどちらとなくそれは諦めた
その瞬間、飛行機は不時着すら間々ならず爆散してしまった。
そこには跡形すら残っていなかった。
しかし空には
まるで虹のように綺麗な雲が見事な弧を描いていた。
その後誰かが呟いた。
「あの設計で飛べたのが奇跡だよ。ただ爆発の原因自体はエンジンが翼のスタンスに合わせようとしたのと翼がエンジンに合った飛び方をしようとしてお互い無理しちゃってたんだね。」